骨壺[語句情報] »
骨壺
「骨壺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨壺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「遺書」より 著者:尾崎秀実
子はその場合連れて来ないこと。 一、屍体は直ちに火葬場に運ぶこと、なるべく小さな
骨壺に入れ家に持参し神棚へでもおいておくこと。 一、乏しい所持金のうちから墓地を....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
は、傷痕に錐《きり》を揉《も》み込まれるような思いで、一日に何度となく、床の間の
骨壺へ掌を合わせる。 この自責の念が、夜となく昼となくかれを悩まして、自分で制....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
はずいぶんいろいろなえらいものがはいっていたんだなあ」と言いながら、静かにそれを
骨壺の中に入れた。そのとき自分の眼前には忽然として過ぎし日のK大学におけるB教授....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
の若い紳士が横たわっていたのである。その紳士の胸のところには、黒い風呂敷に包んだ
骨壺の箱ほどの大きなものを首からぶら下げていた。 「もしもし、あなた。こんなとこ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
――それからまた声を秘《ひそ》めていった。 「肺病には死人の水――火葬した人の、
骨壺《こつつぼ》の底にたまった水を飲ませるといいんだが――それもまた直にくる事に....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
下へ骨だけを葬る事と極めた。そこで墓石の下には、石で小さな穴倉が出来ていて、まず
骨壺の十個位は入れ得る事になっている。年齢からいっても、私がまずこの穴倉の最初に....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
って夜より、真っ昼間のほうがいいんです」
「お前がそうしてそれを持ったところは、
骨壺を持ってお葬式《とむらい》に出るようだよ。似合うよ」
「ヤ、姐御、そいつあ縁....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
上った。じっとしていられなかった。離れの室に逃げ込んでゆくと、白紙を張って秋子の
骨壺を隠した本箱が、妙に白々しく取澄して見えた。彼はほっと安堵した気持になると共....
「十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
原形のまま目立っていた。骨上げの老婆は「頭の丈夫なお方でしたな。」と云いながら、
骨壺の中に他の遺骨を納めた上から、大きな白い頭蓋骨をすっぽりとかぶせた。――その....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
仏ができないようですから、お経をあげて引導わたしてやって下さいな。夜中になると、
骨壺がカタコト鳴りやがって、うるさくッて仕様がないんですよ」 「気のせいだよ。お....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
いよ。なんとなく恰好がつけば、花なのさ」 長平は無責任なことを放言して、二ツの
骨壺をぶらさげた。青木はニヤリとして、 「オレは持ってやらないぜ。長さんの心事に....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
が激しくなって来たにもしろ、そのまま死体全部を捨てて了うことは出来なかった。娘の
骨壺に納めてあるのは、実は娘の骨ではなく、犬の骨なのだから、改めて娘の身体の一部....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
かけた。私たちは時間に俥で牛込の家を出た。暑い日であった。メリンスの風呂敷包みの
骨壺入りの箱を膝に載せて弟の俥は先きに立った。留守は弟の細君と、私の十四の倅と、....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
。私は驚いて、早速墓地管理事務所に参り、いろいろ調べてみましたが、お預けしてある
骨壺には何の異状もなく同じ場所に安置されてあるのでございます。それにあれほど厳重....
「墓場」より 著者:西尾正
三日月が射し入っておりました。そして、その弱い、波打つ月光によって、古代の板石や
骨壺、石碑や霊廟の正面が、無愛想な並列を作っているのを見分けることができました。....