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骨折る
「骨折る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨折るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
槌を打ち込んだ。それには片切彫にしくものはない」 おかみさんを慰めたさもあって
骨折るうちに知らず知らず徳永は明治の名匠加納夏雄以来の伎倆を鍛えたと言った。 ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
おいた。 それから私がこれこれだと話すと、うんそりゃよかろう、若いものがうんと
骨折るにゃ都会がえい、おれは面目だのなんぼくだのということは言わんがな、そりゃ東....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
かせているおやじらしい。下駄の台を拵えるのが仕事だと聴いてはいるが、それも大して
骨折るのではあるまい。(一つ忘れていたが、お袋の来る時には、必らず僕に似合う下駄....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
をする人があるものですか。自分の心を善くしょうと心がけるかわりに悪くしょうとして
骨折るなんて。 左衛門 (飲み飲み語る)わしは悪人になってやろうと思うのだ。善人....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
だから、学校がいやになるのだ。学校は、学問するところではなくて、くだらない社交に
骨折るだけの場所である。きょうもクラスの生徒たちは、少女|倶楽部、少女の友、スタ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
女の渡米に賛同した。お馨さんは母の愛女であった。母は愛女の為に其望を遂げさすべく
骨折る事を諾した。彼女の長兄は、其母を悦ばす可く陰に陽に
骨折る事を妹に約した。残....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
の食うだけの麦しか蒔かない、やっと食うだけのジャガイモしか植えない。麻なぞ作って
骨折るだけ損だと麻畑は荒廃にまかされた。 ソヴェトの工業はどこから必要な四七パ....
「感情の動き」より 著者:宮本百合子
み、案じ、労わり、可愛がって。 息子は漸く大学を卒業する。そこで母親は嫁貰いに
骨折る。 息子は結婚すると、自分たちの若い世界へ出てゆく。母を離れて。 その....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ちょっと顔をしかめた。それを見て彼女は、彼を野蛮なチュートン人だとし、彼のために
骨折るのはまったく無駄なことだと言った。
二人はいっしょに小さな客間へ上がって....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
んとの合理的探究にも、煩わされることがなかった。音楽に移すべき題目を見出すために
骨折る必要さえなかった。彼にとってはすべてのものがいいのだった。音楽はひとりでに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、「力強い芸術品を世の中に押しつけることだ。」 「いくら骨折っても駄目なことよ。
骨折るだけの価値もないわ。そういう力強い作品も一度舞台にかかると、その偉大な詩を....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
りだ、そんなこたあ知ってますよ。」 そして彼は、現実的な事柄を書くのにそんなに
骨折るわけが、会得できなかった。 「そりゃあ子供です、あたりまえの子供ですよ。」....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
うなどと、あの方はまあ何をおっしゃるのだろう! あの方は私を御存じないのだ。私が
骨折るのをあまり好かないのは、怠《なま》け者だからで、できないからではない……。....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
その損害もまた甚しい。 また、田舎の人の常として、家賃や雑作の安い家を求むるに
骨折るのであるが、場所の好い所は家は悪くても、雑作の価は一種の場所権となっている....
「中津留別の書」より 著者:福沢諭吉
およそ世の中に仕事の種類多しといえども、国の政事を取扱うほど難きものはなし。
骨折る者はその報《むくい》を取るべき天の道なれば、仕事の難きほど報も大なるはずな....