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骨細
「骨細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨細の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は不思議ないたずらをするものだ。木部はその性格ばかりでなく、容貌《ようぼう》――
骨細《ほねぼそ》な、顔の造作の整った、天才|風《ふう》に蒼白《あおじろ》いなめら....
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
がしたいと言い続けて、成功を急いで気を苛ったのは宇平であった。色の蒼い、瘠せた、
骨細の若者ではあるが、病身ではない。姉のりよは始終黙って人の話を聞いていたが、願....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ぞを彼の前で開いて見て、これはよい物をくれたというふうに、男持ちとしてはわりかた
骨細にできた京風の扇の形をながめ、胡麻竹の骨の上にあしらってある紙の色の薄紫と灰....
「足迹」より 著者:徳田秋声
目にちらつくようで、見まいとしている婿の姿が、横からまた目に映った。 盃の時、
骨細い婿の手が、ぶるぶる顫えていた。 七十 翌朝お庄が目を覚ました時....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の顔を思い出してやけ酒を飲み、町内は明るく浮き浮きして、ことし十に六つ七つ余り、
骨細く振袖も重げに、春光ほのかに身辺をつつみ、生みの母親もわが娘に話かけて、ふと....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
始末をつけて来るまで、周囲の様子を見廻した。 柱でも、鴨居でも、何から何まで、
骨細な建て工合で、ガッシリと、黒光りのする家々を見なれた目には、一吹きの大風にも....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
と自慢さえして居た。 そして何でも内場に内場にと振舞って体なども親に似げなく
骨細に出来て居るお駒を却ってどうでも好い様に取り扱かって、祭りの着物なども、 ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
がして、かすかにさげていた頭をあげ室内を見た。ちんまりと洒落《しゃれ》た小座敷。
骨細のきゃしゃなあんどんをひきつけて坐っている町人のひとり……五十がらみのがっし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
も二三人子供もって疲れを出したりしないように、よく気をつけなさいと云っているの。
骨細ですから。 汽車はこの頃実に通ります。先は冬の夜なんか貨車の音がガチャガチ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
達の杉田よし子という少女を連れて来た。顔立のいいというわけではなかったが、色白で
骨細で、誰からも嫌われはしないといった型の、いかにも酒場の女給に、ふさわしい娘で....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
うと言うのだ。伯母は小さなキセルを出して煙草を吸うていた。この伯母は私の父に似て
骨細で、華奢な、美しい才女であった。 と目の前の廊下を通りかかったのは彼の娘で....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ちじゃあねえだ。むこうだむこうだ」 などと、汗みずくになってやっている。すこし
骨細だが、実直そうないい壮者《わかもの》。 奥では、接待の麦茶わかし、子供にく....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
へ乗せて、ふたりの間へ置き、
「実盛どの、白髪を染めてござったか」
「なんのさ、
骨細な公卿どのを相手にするに。――いざまいろう。勝負勝負」
「なんでまいるか。た....