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「骨身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

骨身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
出かけた。マッカリヌプリの麓《ふもと》の払下《はらいさげ》官林に入りこんで彼れは骨身を惜まず働いた。雪が解けかかると彼れは岩内《いわない》に出て鰊場《にしんば》....
星座」より 著者:有島武郎
なよ。俺も若い時に、なまじっかな楽な暮しをしたばかりに、この年になっての貧乏が、骨身にこたえるのだ。俺一人が楽をしようというではけっしてないがな、何しろ、今日日....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
、私たちは峠にかかった。 満目|粛殺《しゅくさつ》の気に充ちて旅のうら寂しさが骨身に徹る。 「あれが野猿の声だ」 主人はにこにこして私に耳を傾けさした。私は....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
根性っ骨の強い正直な人たちだったので、すべての激しい運命を真正面から受け取って、骨身を惜しまず働いていたから、曲がったなりにも今日今日を事欠かずに過ごしているの....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ったり、押入を改造して、防毒室を設けたり、配電所に特別のスイッチを設けたりして、骨身を惜まないのは、感心にたえなかった。 それが、あの本物の空襲下に曝されて、....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
れた、)――小股の切れた、色白なのが居て、二人で、囃子を揃えて、すなわち連獅子に骨身を絞ったというのに――上の姉のこのお妻はどうだろう。興|酣なる汐時、まのよろ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
家へ連れてまいり、釘だ、縄だ、抜髪だ、蜥蜴の尾だわ、肋骨だわ、同じ事を繰返して、骨身に応えよと打擲する。 (お前、可い加減な事を言って、ちっとも思い切る様子はな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
無益であることが次第次第に判ってまいりました。積もる苦労、重なる失望、ひしひしと骨身にしみる寂しさ……私の躯はだんだん衰弱してまいりました。 幾月かを過ごす中....
暗号数字」より 著者:海野十三
件は結局いくら莫迦莫迦しくったって、さっきもいうとおり僕が取扱った事件の中で一番骨身をけずって苦しんだ事件なんだから、そこに深甚なる同情を持って君もゆっくり考え....
決闘場」より 著者:岡本かの子
たりした二人は一寸疲れを休めに町角の小公園の灌木の間に入って行った。接吻は優しく骨身に滲みたのであった。翌朝ワルトンは、今日からどんな喜びの緊張と心の自由がある....
唇草」より 著者:岡本かの子
ら、千代重が今まで栖子からうけたことのない感覚が、薄荷を擦り込むような痛さと共に骨身に浸み込んだ。 すると、千代重は暫らく何の判断もなくなり、ただ身軽な自分が....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
は、塵一筋も入りません。私は、他のことは杜漏ですが、画に関する限り、誠にキチンと骨身を惜しまずいたします。絵の具が汚れていたり、辺りを取り散らかしていては、決し....
雪柳」より 著者:泉鏡花
、われが身になって、食いものねだりの無理非道よりも泣かされたぞ、に、に。牝、牝も骨身……肩、腰、胸、腹、柔い膸まで響いてこたえておろうに。洞斎兄がや、足腰の立た....
」より 著者:岡本かの子
欅の並木の間に葭簾で囲った茶店一軒。 遠見に鬼子母神の社殿見ゆ。 ――冬の月、骨身に沁みて美しいが、生憎と茶屋は締ってしまった。 ――こんな時刻に来るものはあ....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
子の胸の中は口惜しさで一杯だった。家元の一言一句はさながら毒汁でも注射したように骨身に通った。朋輩の前でこれほどまでに侮辱しなくても、と、家元の心が恨めしかった....