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「骰子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

骰子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
人は気軽く若い者の机の上から湯呑茶碗を持って来た。もう一人の男の腹がけの中からは骰子《さい》が二つ取出された。 店の若い者が眼をさまして見ると、彼らは昂奮《こ....
崔書生」より 著者:田中貢太郎
紅箱があります」 貴婦人は言った。 「私は玉の指環があります」 二人は双六の骰子を手にした。 「私が勝ちました」 崔の紅箱の一つはまず貴婦人の手に渡った。....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
Perdu !(ああ、七だ、おしまいだ!) と書いて、そのそばに四の目の出た骰子と三の目の出た骰子と二つ描いてあるのもあった。何か不吉の数なのだろう。 そ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
たて》をついて、安倍の頼時や、平泉の泰衡《やすひら》の二の舞を仕て見たところが、骰子《さい》の目が三度も四度も我が思う通りに出ぬものである以上は勝てようの無いこ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
の、何一トつ満足なる者なき中にも盃のみ欠かけず、柴木へし折って箸にしながら象牙の骰子に誇るこそ愚なれ。かゝる叔父を持つ身の当惑、御嶽の雪の肌清らかに、石楠の花の....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
と同棲になろうというつもりだった。ところが世の中のお定まりで、思うようにはならぬ骰子の眼という習いだから仕方が無い、どうしてもこうしてもその女と別れなければなら....
貧乏」より 著者:幸田露伴
うとても今じゃあ真当の事ア遣てる間がねえから汝に算段させたんで、合百も遣りゃあ天骰子もやる、花も引きゃあ樗蒲一もやる、抜目なくチーハも買う富籤も買う。遣らねえも....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
夢を精神分析的に解釈して、最初の機会が熟するのを待っていた。そして案の状、投げた骰子に目が出たので、次第に、胎龍は、一昨日僕が話した夢判断通りの径路を辿って、一....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
しよう』との誓約書を取りかわし、人生の明暗喜怒哀楽をのせて転々ところぶ人生双六の骰子はかくて感激にふるえる両君の手で振られて、両君は西と東に別れて、それぞれの人....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
って行くことに前からきまってるんなら、天の神さまがわたしが島国に生れて来るように骰子をお投げになるとあんたは思いますか?」 これもまたなかなか返答のしにくい難....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
水夫たちは、喜んでこのつらさを辛抱しつづけるなどということは、とてもできません。骰子は投げられました。僕は、もし破滅に陥らなければ帰るということに同意しました。....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、やられたのーッ」 という声が聞こえた。 頼母は、はっとして、盆の方を見た。骰子の目が、一を出して、目紙の上に、ころがっている。 (態ア見ろ!)というように....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
バラモンの活躍という事実があったことを知ればかく解るのは適当と思います。それから骰子の遊び、これもインドから移って来たもので、サイコロの「サイ」というのは、博奕....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
チベットでもそんな事はあるまいと思いましたが、それは非常なものでお寺の中で公然|骰子を転がして博奕をやって居る。 どんなに喧しゅう夜通しやって居ても誰も何とも....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
もしエセックスがアイルランドで勝てば、彼はイングランドでも勝つこととなる。だが、骰子は彼のほうによっぽど大きな目が出なければ勝てぬようになっている。もし失敗した....