»
骼
「骼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
小さく、顎《あご》も短い。色が白いから、それでも可成りの美少年に見える。身長|骨
骼《こっかく》も尋常である。頭は丸刈りにして、鬚《ひげ》も無いが、でも狭い額には....
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
見ぬふりをする。挨拶を受けた相手の名誉を顧慮しているのである。土蔵の裏手、翼の骨
骼《こっかく》のようにばさと葉をひろげているきたならしい樹木が五六ぽん見える。あ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て猴が騒ぐのだ。さて虎も獅《しし》も同じく猫属の獣で外貌は大いに差《ちが》うが骨
骼《こっかく》や爪や歯牙は余り違わぬ、毛と皮が大いに異なるのだ。ただし虎の髑髏《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
したのでシャプハン実は岩兎《ヒラクス》を指すとある。岩兎は外貌が熟兎に似て物の骨
骼《こっかく》その他の構造全く兎類と別で象や河馬《かば》等の有蹄獣の一属だ。この....
「長谷川君と余」より 著者:夏目漱石
的である。第一あんなに背の高い人とは思わなかった。あんなに頑丈《がんじょう》な骨
骼《こっかく》を持った人とは思わなかった。あんなに無粋《ぶいき》な肩幅《かたはば....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
爺さんが語りました。これから察するところ、笛吹川はどこかの医学校の標本室から、骨
骼を盗み出して来て、彼自身の身代りとして棺中に収めたのでしょう。ここいらも、彼の....
「蠅男」より 著者:海野十三
いる。横の方の壁には、これも独逸文字でギッシリと説明のつけてある人体解剖図と、骨
骼及び筋肉図の大掲図とが一対をなしてダラリと下っている。 色が褪せたけれど、黒....
「李陵」より 著者:中島敦
う》を極めた。且※侯《そていこう》単于とて先代の※犁湖《くりこ》単于の弟だが、骨
骼《こっかく》の逞《たくま》しい巨眼《きょがん》赭髯《しゃぜん》の中年の偉丈夫《....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
ペル》する特色を忘れたもので、明白に文学の邪道である。正道の詩はやはり音律の「骨
骼」を持たねばならない。しかし新しき詩の定義が、こうしたものをも包括し得ることは....
「流線間諜」より 著者:海野十三
というものは、生理状態から変なものを喰べたがるものだ。この場合の彼女は、胎児の骨
骼を作るために燐が不足していたので、いつもマッチの頭を喰べていたのだ。あの日も何....
「嵐」より 著者:寺田寅彦
んのためには好い安楽椅子になっている。もう五十を越えているらしい。一体に逞しい骨
骼で顔はいつも銅のように光っている。頭はむさ苦しく延び煤けているかと思うと、惜し....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はそう思って、現実に抗して現実の無意義と無内容とを観じようとすれば、現実はその骨
骼ばかりの機構を露呈して、かえっておれの無知を責めてかかる。おれはその背後に虚無....
「決闘」より 著者:神西清
するよ。ラエーフスキイなるものは、きわめて簡単なオルガニズムである。彼の精神の骨
骼は次のごとし。――朝、スリッパと海水浴とコーヒー。それから昼飯まで、スリッパと....
「楢ノ木大学士の野宿」より 著者:宮沢賢治
》さ。けれどもそれがどうしたの。」 「どうしたのじゃないじゃないか。僕がやっと体
骼《たいかく》と人格を完成してほっと息をついてるとお前がすぐ僕の足もとでどんな声....
「それから」より 著者:夏目漱石
ぬ程に、肉体に誇を置く人である。彼の尤《もっと》も嫌うのは羅漢《らかん》の様な骨
骼《こっかく》と相好《そうごう》で、鏡に向うたんびに、あんな顔に生れなくって、ま....