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高で
「高で〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高での前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も、香やは隠るる路地の宵。格子戸を憚って、台所の暗がりへ入ると、二階は常ならぬ声
高で、お源の出迎える気勢もない。 石鹸を巻いた手拭を持ったままで、そっと階子段....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
干してある白壁の蔵を据えた魚漁家の娘だった。 この大きな魚漁家の娘の秀江は、疳
高でトリックの煩わしい一面と、関西式の真綿のようにねばる女性の強みを持っていた。....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
」の同人で二十五歳、病弱な為めW大学中途退学の青年だが病身で小柄でも声が妙にかん
高で元気に話す男だ。殆どわめく様にマルクスだとかレーニンだとか談論風発を続け、は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は中村|芝翫である。同時に、本花道からしずかにあゆみ出た切り髪の女は太宰の後室定
高で、眼の大きい、顔の輪郭のはっきりして、一種の気品をそなえた男まさりの女、それ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ある。男女の痴話の傍杖より、今は、高き天、広き世を持つ、学士榊三吉も、むかし、一
高で骨を鍛えた向陵の健児の意気は衰えず、 「何をする、何をするんだ。」 草の径....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
違いない。それにしても大胆な、女の癖にと、珍しがるやら、怪むやら。ここの国も物見
高で、お先走りの若いのが、早や大勢。 婦人は流るるような瞳を廻らし、人だかりが....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いました。それがたしかに婆さんの声らしいんですけれど、そのまた調子が途方もなく甲
高で、わたしもずいぶんいろいろの国の歌い手の唄を聴いたことがありますが、今まであ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
高い。二回で半ギニー(十円五十銭)位であったと思う。一回分が丁度芝居の土間位の金
高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、ファラデーの一身上に....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
く訳よ。あなたそれは如何位あると思って? 去年のたった九つだけの賭博場からの揚り
高でも総額二億六千万フラン以上よ。 二億六千万フラン! それを日本平価に換算す....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、 「おっとまず黙ってあとを聞くことさ。さよう米の値は知らせねえが、そのかわり〆
高で言訳をさせますか。」 「違えねえね。」 「黙れ! 手前が何だ、まあお聞きなさ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
見世ものなら一人でも多く珍らしがらせに、真新しい処で、鏡の間から顔を出して、緋目
高で泳いでれば可いんです。」 八郎は熱い茶を立続けに煽って言った。不思議に面に....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
は中村|芝翫である。同時に、本花道からしずかにあゆみ出た切髪の女は太宰の後室|定
高で、眼の大きい、顔の輪廓のはっきりして、一種の気品を具えた男まさりの女、それは....
「狐」より 著者:岡本かの子
な。もっと直ぐに役立つものが欲しい。 ――では、早速、明後日にも、大藩からよき禄
高で召抱えの手引きでも。 ――それも欲しくないな。 ――他にお礼の心当りもござい....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
皮肉はない。約一ヵ月のち釈放されたが、出迎人は身寄りや友人ではなく早稲田警察の特
高であった。仕方なく早稲田警察に行くと『田舎へ帰っておとなしくしてなきゃ検束する....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
裳部屋へ入ろうとすると入れ違いに、小さい者の影がお縁側の方へ走るのを見ました、公
高でした。どうして母の衣裳部屋へ入っていたのかと何心なく見ると、ずらりと並べてあ....