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高ぶる
「高ぶる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高ぶるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
うに。」と王妃も満足げに首肯《うなず》きました。王さまも王妃も、慈悲深く、少しも
高ぶる事の無い、とても優しい人でした。 ラプンツェルは、少し淋しそうに微笑《ほ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を売った江戸まえの男のつもりだ。うじゃうじゃしておりゃ、おたげえ癇《かん》の虫が
高ぶるからね。すっぱりと何もかもおいいなせえよ」 柔らかく震えている菊代のふっ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
い所へ横臥して、ふと夢のような事を考えた。 その昔相許した二人が、一夜殊に情の
高ぶるのを覚えてほとんど眠られなかった時、彼は嘆じていう。こういう風に互に心持よ....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
ある。自己の魂のすべてをあげての奮闘である。けれどふしぎにもそこには傲《おご》り
高ぶる心がなくしてへりくだるやさしき心がある。 第一のものと関連して私を懐疑的....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
た。どうして、そんな明快な答が出たのか妾には合点がゆかなかったけれど、彼女は別に
高ぶる様子もなく、妾の故郷だという四国の安宅村へ、三人の双生児の実相を確めるため....
「パウロの混乱」より 著者:太宰治
れに聞くところに過ぎて我を思うことあらん。我は我が蒙りたる黙示の鴻大なるによりて
高ぶることの莫からんために肉体に一つの刺を与えらる。即ち
高ぶること莫からんために....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ぞ音羽の通りと思われる方角を指して、ひた駆けに駆けつづけたが、息ははずむ、動悸は
高ぶる、脚のすじは、痙《ひ》き攣《つ》ッて、今はもう、一あしも進めなくなるのを、....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
らない。それがどうも口に出憎いのであった。或時吉野の主人が「好く気を附けて、人に
高ぶるなんぞといわれないようになさいよ」と忠告すると、勝久は急所を刺されたように....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
そのとおり第二国民兵であって、そこが軍律の有難いところで、いやしくも上官に向って
高ぶる心を起させない。私はその日は、完全に第二国民兵以外の何者でもなかった。しか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に閨《ねや》に入りました。 三十八 寝についたが、妙にかんが
高ぶる。今晩の鈴木邸の会談が骨となって、それにさまざまの想像の肉が附こうというも....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
―けっして高ぶってはなりません。小さな者に対してばかりでなく、大きな者に対しても
高ぶるものではありません。またこちらを排斥するもの、侮辱《ぶじょく》するもの、誹....
「ソクラテス」より 著者:新渡戸稲造
ソクラテスは具眼者から先生といわれるほどの尊敬を受けていながら、微塵《みじん》も
高ぶる風がなかった。また当時、アテンの政治は民主主義であったが、しかし、その制度....
「美の国と民芸」より 著者:柳宗悦
者の方が神の意に適っているのです。富者は天国に入ることが難しいと云います。自我に
高ぶる者より謙遜な者の方が慕わしいのです。徳と交り易いからです。道は異常なものに....