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高める
「高める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
思ってしまったのだと吉田は悟《さと》ることができた。そして咳がふいに心臓の動悸を
高めることがあるのは吉田も自分の経験で知っていた。それで納得のいった吉田ははじめ....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ほか》はないのだ。今日我国は貧乏にして生産力に乏しいというが、富力を増し生産力を
高める余裕はまだまだ沢山ある。ブラブラ遊んで暮らすのを誇りとしている一部上流社会....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
空の色は火のように焼けていた。その燃えるような紅い空の下で音楽の響きが更に調子を
高めると、花のかげから無数の毒蛇がつながって現われて来て、楽の音につれて一度にぬ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
だ見渡すかぎりを、陰々たる焔《ほのお》が包んでしまうのだ。しかし、もう一段眺望を
高めると、その沈んだ色彩の周縁《ぐるり》が、コロナのような輝きを帯びていて、そこ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ラムの水を〇・二三五度だけ温め得る熱量は、一キログラムの空気ならば一度だけ温度を
高めることができる。従って、一キログラムの空気が一キロメートルの高さを落ちるとそ....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
政府は捕鯨船の建造を、全国で三十艘以内に制限しているのだった。しかし、捕鯨能率を
高めるために、監視船の眼のとどかぬ沖合で、秘かに仔鯨撃ちも犯す捕鯨船は、時折りあ....
「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
全なる進歩と発達を遂げることが出来ない。そう云う風に一般の階級の人間の智識程度を
高めるには、一般の人間が高等の智識を受け入れることが出来るような設備が必要である....
「転機」より 著者:伊藤野枝
が一つ一つそれを黙って切り抜けるごとに、卑劣で臆病な俗衆はいよいよ増長して調子を
高める。しかし、たとえ千万人の口にそれが呪咀されていても、私は自身の道に正しく踏....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は竜樹の再身と称して、諸菩薩の口憑や不可思議な法術をも行い、次第に奇蹟行者の名を
高めるに至った。しかも、それ等一切の行を御廉一重の奥で行って、決して本体を見せな....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
クに、お互いを向上させて行く恋愛だね。恋愛を人生の崇高な目的である人間完成にまで
高めるために、精神的に結合させるのが、一流の恋愛だ」 「まア、僕にはむつかしいで....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
ている批評家もそうであります。新しい形式のみを讃めるということが強ち自己の鑑識を
高めるものではありません。唯に新しき批評家を以て、自称せんがために、純然たる自分....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
標準が一定しなかったうらみがあるが、今後の方針としては古典的価値の水準をますます
高めるとともに、厳選方針を強化することにした。経済的価値高くとも本質的価値乏しい....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
劇を御覧に供したのは劇を賤視する従来の陋見を破って千万言の論文よりも芸術の位置を
高める数倍の効果があった。井侯の薨去当時、井侯の逸聞が伝えられるに方って、文壇の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に努力する。製品の売行があまりに不良。これは製品の真価に対する誤解である。需要を
高めるまで八方了解さす工夫を続ける。 これら誤解に大体、二種類あります。一つは....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
けれども、持久戦争に於ては武力の絶対的位置を低下するに従い外交、内政はその価値を
高める。ナポレオンの「戦争は一に金、二にも金、三にも金」といった言葉はますますそ....