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「高下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

高下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
器物《うつわもの》を忌《い》むの慣い、誰かその方如き下郎《げろう》づれと、法力の高下を競わりょうぞ。さればその方は先ず己を恥じて、※々《そうそう》この宝前を退散....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
心に叶うような歌は一首も見いだされなかった。人の顔かたちを見て、もとよりその歌の高下《こうげ》を判ずるわけにはいかないが、この乙女の世にたぐいなき顔かたちと、そ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
から出てくる芸術至上主義者の顔とその表れている醜悪《しゅうあく》の表情に何らかの高下があるだろうか。すこし例は違うが、小説「放浪」に描かれたる肉霊合致の全我的活....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》が行なわれた。素読吟味というのは、旗本御家人の子弟に対する学問の試験で、身分の高下を問わず、武家の子弟が十二三歳になると、一度は必ず聖堂に出て四書五経の素読吟....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
その先代はお目附を勤めたとか聞いています。一口に旗本と云っても、身分にはなか/\高下があります。百石以上は旗本ですけれども、それらは所謂貧乏旗本で、先ずほんとう....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
人形として可愛がってやらなければなりません。その意味に於いて、人形の新古や、値の高下や、そんなことを論ずるのはそもそも末で、どんな粗製の今戸焼でもどこかに可愛ら....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の尿溜の片影をとらえたようでも、森はいよいよ暗く涯もなく深いのだ。 すると熱の高下の谷のようなところで、ヤンがマヌエラをそっと葉陰に連れこんだ。 「あなたは、....
縁結び」より 著者:泉鏡花
フトその腕を解いた時。 小松に触る雨の音、ざらざらと騒がしく、番傘を低く翳し、高下駄に、濡地をしゃきしゃきと蹈んで、からずね二本、痩せたのを裾端折で、大股に歩....
大阪発見」より 著者:織田作之助
もっさりした洋髪の娼妓、こっぽりをはいた半玉、そして銀杏返しや島田の芸者たち……高下駄をはいてコートを着て、何ごとかぶつぶつ願を掛けている――雨の日も欠かさない....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
工夫はないものかと頭脳を悩ましたことであった。むろん人間には、賢愚、善悪、大小、高下、さまざまの等差があるので、仏教の方便も穴勝悪いものでもなく、迷いの深い者、....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
敷へは……」 「いや、その遠慮は要らぬことじゃ。大久保殿はあの通りの御仁、家柄の高下などを念に置かるる筈はない。殊にお身のこともよく知っておらるる。この伯母が頼....
多神教」より 著者:泉鏡花
度、三度、ぐるぐると引廻したらば、可。――何と、丑の刻の咒詛の女魔は、一本|歯の高下駄を穿くと言うに、些ともの足りぬ。床几に立たせろ、引上げい。 渠は床几を立つ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
あけて、※のゆきげた瑪瑙の橋と、悠然と出掛けるのに、飛んで来たお使者は朴の木歯の高下駄、ちょっと化けた山伏が供をするようだわ。こうなると先生あつかい、わざと提灯....
西航日録」より 著者:井上円了
、湯屋は混浴を常とし、寺前に乞食の多き、商品に掛け値の多き、車夫の人を見て賃銭を高下するがごときは、みな東洋的なり。ただし、他国人を擯斥しあるいは軽蔑するの風の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
人物そのものにつきても、豪州に移住せしものと南アフリカに移住せしものとは、品格上高下の相違あるを見る。両地ともに新開地なれども、豪州は全くイギリス人のみの植民地....