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「高利貸し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

高利貸しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
いな、いっしょになると生き血を吸われるような人間でな、たとえばかったい坊だとか、高利貸しだとか、再犯の盗人《ぬすっと》とでもいうような者だったら、おれは喜んで、....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
立派な紳士なんだけれども、実は卑しい身分から成り上がった成金で、慈悲も人情もない高利貸しなのよ。今じゃもう警察のご厄介になって、おまけに呆けちまって、誰も見向き....
貧を記す」より 著者:堺利彦
和窓外春気満ちたり。 あおはえを追う 白眼才弁をもってわがために今滝(高利貸しの名なり)を追う。一|蒼蠅一カ月の間は来たらざるべし。快。白眼また一衣を....
死までを語る」より 著者:直木三十五
枚買ってくる。 「一枚だよ」 「ハガキ一枚なんて買えますか」 これが、その内、高利貸しの前で、煙草を喫いながら 「お金なんか、廻り持よ」 と、云うようになる....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
れはいろいろの仮想的実験を試みる。たとえばある一人の虚無的な思想をもった大学生に高利貸しの老婆を殺させる。そうして、これにかれんな町の女や、探偵やいろいろの選ま....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
で借りたものを年一割か一割五分で回すとすれば、この地主達は匡救費のおかげで思わぬ高利貸し稼業が出来るというわけだ。農民へ貸しつけた金が取れないような場合には、地....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
として天国の様を説いた。聴衆のうちにジェボランという隠退した金持ちの商人がいた。高利貸しの類《たぐい》で、粗悪なラシャやセルや綾織布《あやおり》やトルコ帽などを....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
しいやね。ねえ、長さんや。貧乏人はあなたのことをこう言うよ。大庭長平という人物は高利貸しと同じ性質の利己主義者にすぎない、とね。誰から何をしてもらう必要のない人....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちの九千円はタイコモチにかしてやる。タイコモチのは一万円から千円天引いてあるが、高利貸しにくらべればなんでもない。その代り、ほかの利息はぬいてやるから、五年目に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
まれぬ程度に訊きだしてみると、次のことが分った。 寺島の才川平作といえば名題の高利貸しであった。間接に千や二千の人間は殺してるようなものだぜ、という鬼の商法で....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
し通用できるように常住坐臥怠るところがないのであった。今は宿屋の客ひきだが未来は高利貸し会社の社長と心に堅く思いこんでいるのである。こういう辰男であるから、かり....
頸飾り」より 著者:辻潤
、あそこから五百フラン、という具合に都合をして歩いた。それでも未だ間に合わぬので高利貸しの処にまでも出かけていった。そして、すべての債主に一々証書を入れた。もう....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
続した門番小屋のようなところを事務所兼用にして寝泊りしているのである。彼の営業は高利貸しであった。熱海の大火の折に母からもらっていた山林を売って高利貸しをはじめ....
自殺か他殺か」より 著者:小酒井不木
要頷を告げました。 芝区M町十番地に藤田又蔵という無職の老人がありました。以前高利貸しをしていたことがありましたが、最近は健康があまりすぐれないので、雇いの老....
世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
た。一体どうしてこんな事件に続々関係するかと云うに、それはこうである。墺匈国では高利貸しが厳禁せられている。犯すと重い刑に処せられる。そこで名義さえ附くと好い。....