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高吟
「高吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
識してふりかざしながら詩壇に登場した日本帝国の支配者たちの口ぶりに合わせた政策的
高吟の詩の幾篇かではなくて、 ひときれの堅きもちひをあかがりの 手....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
こへどうこの気力を試そうか、どうして勇気を漏らそうかと、腕をさすッて、放歌する、
高吟する、眼中に恐ろしいものもない、出来なさそうな物もない、何か事あれかし、腕を....
「円朝花火」より 著者:正岡容
《おと》を立てながら走っていた。 十一時過ぎとはいえ、新秋の宵の本郷通りは放歌
高吟の書生の群が往来繁く、ときどき赤門のほうで歓声が上がった。 「加賀さまのほう....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
物にて候」といい、貴人の前での作歌には「心中にひそかに吟じ」、「さらぬ会席ならば
高吟もすべし」と訓えているのを見ると、ここにもとめられている新しい抒情が、もとよ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ゆくのも忘れて、じっと、聞き惚れていた。 するとまた、別人の声が、卓をたたいて
高吟しだした。ひとりは、それに合わせて、箸で鉢をたたく。 漢皇剣をひっさげて寰宇....
「三国志」より 著者:吉川英治
ノ戯馬謾ニ鞭ヲ加ウ 主人ノ盛徳ヤ尭舜ニ斉シ 願ワクハ昇平万々年ヲ楽シマン と、
高吟した。 「佳作、佳作」 曹操は激賞しておかなかった。そして彼には、一面の硯....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、直義と駒をならべていた今川範国で、言下に、万葉のひとつを、駒ひびきのあいだで、
高吟していた。 あかねさす むらさき野ゆき しめ野行き 野守りは見ずや 君が袖振....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
めたのが、その中では何か盛んに喧騒していた。たしかに酒に酔うた五、六の人間の放歌
高吟がきこえた。 そのバラックの前に黒塗りの立派な函自動車が待たしてあった。 ....