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高坏
「高坏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高坏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
しかも、そのまん中に、花も葉もひからびた、合歓《ねむ》を一枝立てたのは、おおかた
高坏《たかつき》へ添える色紙《しきし》の、心葉《こころば》をまねたものであろう。....
「富士」より 著者:岡本かの子
ものの獣の皮の毛は厚く柔かだった。 壁の一側に※机《しもとづくえ》を置き、皿や
高坏《たかつき》に、果ものや、乾肉がくさぐさに盛れてある。一甕の酒も備えてある。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
しばらく休息の時を与えるため、接待役の僧が一室に案内し、黒い裙子を着けた子坊主は
高坏で茶菓なぞを運んで行って一行をもてなした。 寺の大広間は内外の使臣が会見室....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
此の国へ流された者で、御利益を持ちまして日本へお帰しを願います…おや旦那|彼処に
高坏のような物の上に今坂だか何だか乗って居ります、なんでも宜しいお供物を頂かして....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たぬ華奢の尽くされてあるのも、よく見ればわかるのであった。父宮へも浅香木の折敷、
高坏などに料理、ふずく(麺類)などが奉られたのである。女房たちは重詰めの料理のほ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、人に抱せると泣き、自分が抱けば泣止む。寝床へ置いても泣出すので膝の上で寝かせ、
高坏を灯台として膝の前にともし、自分は背中を衝立障子にもたせかけて、百日の間は乳....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
に角が取れいで話が丸う行かぬわ、さあ菓子も挾んではやらぬから勝手に摘んでくれ、と
高坏推しやりてみずからも天目取り上げ喉を湿したまい、面白い話というも桑門の老僧ら....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
本のものと類を異にし、大変朝鮮のものに近い性質を有ちます。特に椀だとか木皿だとか
高坏だとか、または蓋物や印籠の如きものなど、全く見分けのつかないものさえあります....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
与三」 「出淵孫兵衛でござる」 と順々に名乗り合った。 酒が出る。 古風な
高坏に、とろりと粘るような手造りの地酒。肴は、めいめいの前の木皿へ取り分けられて....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
眼の前で、酒戦ないたそう」
「酒戦とな。ことも可笑し」
光広はべつの大きな杯を
高坏へ乗せて、ふたりの間へ置き、
「実盛どの、白髪を染めてござったか」
「なんの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えて、引っくり転す。法師は大ゲサに蛙腹を仰向ける。満座はとたんに、爆笑となって、
高坏が仆れるやら、その隙に、目ざす妓を抱えるやら、そろそろ、無礼講らしい。 武....