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高山植物
「高山植物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高山植物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ックの家《うち》へ退屈しのぎに遊びにゆきました。トックはいつも狭い部屋《へや》に
高山植物の鉢植《はちう》えを並べ、詩を書いたり煙草《たばこ》をのんだり、いかにも....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
ますという。遥に北へ行くと、白馬岳が聳《そび》えている、雪の室は花の色の鮮やかな
高山植物を秘めて、千島|桔梗《ききょう》、千島|甘菜《あまか》、得撫草《うるっぷ....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
度を有しているのはその好適例で、雪によって美しく、白馬岳(二九三三米突)のように
高山植物に豊富で、雪に依ってその全体の高峻を、或程度までは保護されているのである....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
そこでは「祭礼」が催されていた。 ゆるゆる流れている船の左右、狭い高い岩壁に、
高山植物や富士植物が、爛漫と花咲いているのであった。一所岩が飛び出していた。一面....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
薔薇が、紅を潮して咲いているのを発見した、匂いがいかにも高い、私はこのときほど、
高山植物の神秘に打たれたことはない、白花の石楠花は、潔いけれど、血の気の失せた老....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、右の方の草原へ切れ込むと、車百合や、四葉塩釜や、岩枯梗や、ムカゴトラノオなどの
高山植物が、ちらほら咲きはじめて、草むらの間には、石の切れ屑がときどき草鞋を噛む....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
いるし、加賀の白山にも多いところから、白山石楠花とも呼ばれているくらいであるが、
高山植物の採集家として聞えた故城数馬氏は、日光の湯ノ湖を取り囲む自然生の石楠花の....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、皆梅鉢寺と覚えている。石段を攀じた境内の桜のもと、分けて鐘楼の礎のあたりには、
高山植物として、こうした町近くにはほとんどみだされないと称うる処の、梅鉢草が不思....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
へと霧の裡に影を没し去った。 九 南岳 フ氏と分れ、大磧を西北にさし、
高山植物の茂れる急斜地を踏みわけ、二十分で手近き山稜、右に折るれば、槍の最南峰に....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
小ッぽけな塊に過ぎないし、富士山のように、新火山岩で、砂礫や岩石が崩れ易いので、
高山植物は稀薄であるし、「好き」になるところまでは行かないが、それでも、最も多く....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
始まる。草いきれのする裾野路。淙々たる渓流の響。闊葉樹林。駒鳥の声。雪渓。偃松。
高山植物を点綴した草野。そして辿り着いた尾根上の展望。三人はここにルックを投げだ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
を入るるに忍びざる心地す。石原の処には、駒草孤生す。清麗にして可憐なる哉。これが
高山植物の女王なるべしといえば、水姓氏|頷ずき、嘉助氏も頷ずく。広義の
高山植物は....
「春風遍し」より 著者:小川未明
て空想に耽ることが、一層楽しかったからでもあります。夏の日郊外の植木屋を訪ねて、
高山植物を求め帰り道に、頭上高く飛ぶ白雲を見て、この草の生えていた岩石重畳たる峻....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
その山腹のお花畑の美しさは、その紅は黄は紫は、全く何に譬えよう。たしかにそれらは
高山植物の気品と清香とを充ち満たしていた。 ああ、光がのぼる、のぼる。 ああ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
んだような気がする。風雨氷雪幾百万年、肉の落ちた齦のあたりには、それでも幾種かの
高山植物が纔に培われてはいるが、堅い硬い岩骨は恐らくは遠い未来まで、その悲痛な最....