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「高嶺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

高嶺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
、たちまち、男はまた、不器用にも俊敏に去った。 女は、何となく本意なく、富士の高嶺を見上げた。その姿は、いま眼のまえに横っている小雄鹿の死と同じ静謐さをもって....
高山の雪」より 著者:小島烏水
分を含むことが少ないから、雪はかえってないものである。近頃では展覧会などで見る「高嶺の雪」などいう日本画には、空気を絶したような峻急な高嶺に、綿帽子のように、む....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
、木はその葉を振い、飛ぶ禽《とり》も翼を縮めるべき冬が来たのだ。その冬の先駆なる高嶺の雪! 自然は富士山という一つの題材を、幾十百部に切り刻んで、相模野からか....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
幻の光が、夢のように彷徨《さまよ》い、また消えようとするとき、二、三分の間、雪の高嶺に、鮮やかな光が這《は》って、山の三角的|天辺《てっぺん》が火で洗うように耀....
婦系図」より 著者:泉鏡花
が、腕組をした、肩が聳えて、主税は大跨に後に続いた。 窓の外は、裾野の紫雲英、高嶺の雪、富士|皓く、雨紫なり。 五 聞けば、夫人は一週間ばかり....
単独行」より 著者:加藤文太郎
〇〇〇メートル余も迷って充分山へ自信を持つことができ有難いと思っている。これより高嶺に登ったときは午後十二時三十分で賽ノ河原へきて石仏会の名簿に名前を書き、時間....
星女郎」より 著者:泉鏡花
の牡丹をかさねた、頂白くキラキラと黄金の条の流れたのは、月がその裡に宿ったろう。高嶺の霞に咲くという、金色の董の野を、天上|遥かに仰いだ風情。 西山日没東山昏。....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
想像される。 『シエラの詩人と呼ばれしウオーキン・ミラーの住みし所、彼の名づけて高嶺といいける所。妻の名にちなみてアペイと呼びしこの家は、彼が「コロムバス」その....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
々と朗誦し始める)…… 天地の 分れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 布士の高嶺を 天の原 ふり放け見れば 渡る日の 影も隠ろい 照る月の 光も見えず 白雲....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
た。名に三本木の駅路と聴いては連理の樹の今は片木なるを怨みもした。 右は妙高の高嶺、左は関川の流れを越して斑尾の連山。この峡間の関山宿に一泊あり。明くる日は大....
書記官」より 著者:川上眉山
朝なり。空は底を返したるごとく澄み渡りて、峰の白雲も行くにところなく、尾上に残る高嶺の雪はわけて鮮やかに、堆藍前にあり、凝黛後にあり、打ち靡きたる尾花野菊|女郎....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
だったよ。」天女の扇を持った手である。元老は当日羽衣を勤めた。「そして、(富士の高嶺幽になり、天つ御空の霞にまぎれ、)という処じゃ、小父さんの身体が、橋がかりの....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
深く、丘は霜のように白い、尾花が銀色を輝かして、処々に朱葉の紅の影を映している。高嶺は遥に雪を被いで、連山の波の寂然と静まった中へ、島田髷に、薄か、白菊か、ひら....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
うことがすべて「響き」を持つこととなる。 ハイカラ風俗のそこから下って来た山の高嶺――欧化の絶頂――が「鹿鳴館」にあることは衆知のところだが、そこに有名な仮装....
西航日録」より 著者:井上円了
が立つなら頭御用心」と戯れたり。まずタイガーヒル山頂にて、わが目に触るるところの高嶺を挙ぐれば、 第一、エベレスト(Everest)峰(二万九千二フィートにして....