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「高座の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

高座のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
きり》を二方に立て廻して、その中に定連《じょうれん》の席が設けてあった。それから高座の後《うしろ》が縁側《えんがわ》で、その先がまた庭になっていた。庭には梅の古....
」より 著者:夏目漱石
る余裕のある人らしく思われた。彼はどの顔を見ても羨《うらや》ましかった。 彼は高座の方を正視して、熱心に浄瑠璃《じょうるり》を聞こうと力《つと》めた。けれども....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
をそろえて、「やってしまえ、やってしまえ。」と呶鳴る。自分がそれを持ち帰らずに、高座の芸人にやってしまえと云うのである。そう云われて躊躇していると、芸人たちの方....
わが町」より 著者:織田作之助
たがな……」 前座ばかり勤めているが、さすがに落語家で、〆団治のものの言い方は高座の調子がまじっていて、他吉は大阪へ帰って来たという想いが強く来た。 「――し....
足迹」より 著者:徳田秋声
を負ったようなその心は、何に触れても、深く物を考えさせられるようであった。お庄は高座の方へ引き牽けられている叔父の様子を眺めると、いたましいような気がしてならな....
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
しい。 「よく入ってますね」 「へイ」 木戸番という奴は無愛想が多い。 「今の高座のは、武家上りらしいが、そうじゃ無いんですか」 木戸番、じろりと顔を見上げ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
角と並んだところに席をとり、そうして、いやにニヤニヤと脂下《やにさが》りながら、高座の講釈師の面《かお》をながめていることです。 お角がよそ目で見ると、この男....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
から、人気はすばらしかった。怪談の前になると、立っているものも続々はいってきた。高座の仕掛けは、その頃はやった何段返しとかいうので、後景《はいけい》が幾段にも変....
戦争論」より 著者:坂口安吾
、落語家が、戦争中は、軍部に迎合して、エロ落語を地下にうずめて塚を立て、いっぱし高座の上から、軍国的お説教をきかせて得々たるものであったが、民主主義になったら、....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
おる見込みはないからである。 ★ 巷談師というものは、所詮高座の道化者で、オナグサミに一席弁じているにすぎないのである。天下国家を啓蒙しよ....
怪談会の怪異」より 著者:田中貢太郎
た。一座の者はおやと思って記者の顔へ眼をやる間もなく、その記者は前のめりになって高座の下へ落ちたので、怪談会はしらけてしまって、未明までやるはずのものが、一人帰....
竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
した。それも多くの人目をあつめたに違いなかったが、初《はつ》真打綾之助に贈られた高座の後幕《うしろまく》は、とうてい張りきれぬほどの数であったので、幾枚も幾枚も....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いて、席桟敷は大入り満員なのだった。人いきれとたばこで、むっとする空気の向うに、高座の、ちょうど落語《はなし》家の坐る、左右に、脚の長い対《つい》の燭台の灯が、....
雪の日」より 著者:永井荷風
声を出して呼びかけている。わたくしは帳場《ちょうば》から火種を貰って来て、楽屋と高座の火鉢に炭火をおこして、出勤する芸人の一人一人楽屋入するのを待つのであった。....
法然行伝」より 著者:中里介山
とになったが、南都の三論法相の碩学が多く集った中に大衆二百余人各々肌に腹巻を着て高座の側に列んでいて、自宗の義を問いかけて、誤りがあらば耻辱を与えてやろうと仕度....