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高張り
「高張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「追憶」より 著者:芥川竜之介
令 僕は例の夜学の帰りに本所警察署の前を通った。警察署の前にはいつもと変わり、
高張り提灯が一対ともしてあった。僕は妙に思いながら、父や母にそのことを話した。が....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
「Y(谷中)村鉱毒問題大演説会」と筆太に書いたのぼりの間に、やはり何か書きつけた
高張りの赤い火影がゆらめいて行く光景と、みんなの姿が見えなくなってからもまだしば....
「女の一生」より 著者:森本薫
中にもなるさ、旅順の陥落は去年の七月から待ってたんだ。何処の町内でも三月も前から
高張りや小旗の用意をして今日の日を待っている。あんまり何時までも発表がないもので....
「自殺を買う話」より 著者:橋本五郎
さの中に、青磁色無地、剣かたばみを大きく染め残した式幕で門前を廻らし、その左右に
高張りを立てて、静まりかえった大家《たいか》を見た。門前に一台の自動車が置かれて....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
品川の一角、高輪の台、海を見下ろした高台に、宏大な屋敷が立っていて、大門の左右に
高張り提灯が、二|棹威光を示していた。 その前まで来ると駕籠が止まり、お島が駕....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
た戦場のように重く視ました。近火の場合には武家も町家も豪家になると、大提灯または
高張りを家前なり、軒下に掲げ、目じるしとして人々の便を計りました。 このほか、....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
思った。 日が暮れかかると、小作人がボツボツ集ってきた。土間にムシロを敷いて、
高張りの提灯を幾つも立てていた。令嬢を見ると、小作人達は坐り直して、丁寧に挨拶し....