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高恩
「高恩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高恩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
に過《すぎ》たのです。養父も秘密を明けて却《かえ》って安心した様子、僕も養父母の
高恩を思うにつけて、心を傾けて敬愛するようになり、勉学をも励むようになりました。....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
かず、主人に対して面目ないし、自分の楽《たのし》みをして主人の金を遣い果たして、
高恩を無にするような事をして実に済まねえ、どうも仕方がないから死のうと覚悟はして....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
もむ》ろに遺骸の傍に進んだ。そして両手を突いて頭を下げた。口の裡で夫人から受けた
高恩を謝した。涙がまた新しく頬を伝った。夫人は急激な尿毒症に襲われ、僅か五時間の....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
人|旗下のような処へでも養子に遣って、一廉の武士に成れば、貴様も己に向って前々御
高恩を得たから申上ぐるが、それはお宜しくない、斯うなすったら宜かろうと云えるよう....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
て、師匠、私も御丹精によってようやく一人前の仏師と相成りましたが、お別れに臨み御
高恩を幾久しく記念致したいと存じますによって、何卒か師匠のお名の一字をお貰い致し....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
来いたして居ります。つらい別離の御挨拶を申し上げる前に、一つ、忠誠の置き土産、御
高恩の万分の一をお報いしたくて、けさほどから、わかい人たちに対して、最善と思われ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
と時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の
高恩に報ゆることが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おう....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
た。
「は――」
何とか、言いのがれようとして、甚太郎はどもった。
「お屋敷御
高恩を忘れ、何たることだ! 浪路どのお留守のための御迷惑が、わからぬか!」
五....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
上 石月平馬こと一旦、女賊風情の饗応を受け候上は、最早武士に候わず。君公師父の御
高恩に背き、身を晦まし申候間、何卒、御忘れおき賜わり度候。頓首」 御用のため、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をはじめました。これとほとんど時を同じゅうして机竜之助は、植田丹後守にいろいろと
高恩の礼を述べて、これも関東へ発足の日取りをきめました。 出立の前の日、薬屋源....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
光一を見るとき一種の弱気を感じたのであった、かれはわが伯父が入獄中に受けた柳家の
高恩を思い、わが貧をあわれんで学資をだしてやろうとした光一の友情を思うと、かれの....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
事から、書けもしねえ手も帳面ぐれえは附けられ、算盤も教えて下さり、実に旦那様の御
高恩は海よりも深く、山よりも高く、死んでも多助は忘れやせん」 善「あい/\誠に其....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
で、
先生は心からおこっています。
よしや自分の身は棄てても、あなたを助けて
御
高恩に報いたいと云っているのです。
帝
そう云えば、いつか人民が讙呼して....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
丈「アヽ旦那さま、勿体ないことを仰しゃいます、何う致しまして、私は旦那さまの御
高恩を戴いて居りまするから、身体で出来まする事なれば、何の様な事でも致しまして、....
「三国志」より 著者:吉川英治
張飛、関羽の二つの顔がむらむらと燃えている。――が、玄徳は頭を低く下げて、 「ご
高恩のほど、なにとて忘れましょう。かたじけのうぞんじます」 そこへ、呂布の家臣....