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高所
「高所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
田舎新聞にひとりよがりな投書ぐらい載せてもらって得意になっていないで、ちっと眼を
高所大所に向けてみろ。……何んといってもそこに行くと星野は話せるよ」
ガンベは....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
ことに残念でした。迷うと磁石が狂っているように思われます。海抜二八〇〇メートルの
高所に着のみ着のまま寝たのですが、合羽を大沢小屋に乾しておいて忘れ一層寒く、一晩....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
。五階までエレヴェーターで行き、後は階段を昇るのであるが、自分は心臓が弱いため、
高所にあると云う感じ丈で胸苦しくなり、最高層の窓からわずかに、足下に煤烟の下に横....
「流線間諜」より 著者:海野十三
った。ユルリユルリと鉄の管壁を攀じのぼっていった。だから、到頭二十メートルもある
高所に登りついた。――そして、彼の頭はゴツンと硬い天井を突きあげたのだった。 「....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に由来しているのであったが、今や彼の精神は、これまで情熱に心酔して登りつめていた
高所に踏みとどまることを許さなくなった。彼はひざまずいて世俗的な疑惑の前に降伏し....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
でも寝ることにしよう) で、手さぐりに探り出した。 と、その時遥か行く手の、
高所の上から一点の火光が、木の間を通して見えて来た。 (はてな?)と、これは誰で....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
らかな湯が、滑石の浴槽の縁をあふれて、床へダブダブとこぼれている。その傍らの壁の
高所に、銀製の漏斗型の管があって、そこから香水の霧|水沫が、絶間なく部屋へ吹き出....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
れからジャックス・フットレルの『十三号監房の問題』などと並んで、比類なく輝かしい
高所に位する傑作である)。それは、メルビイル・デビッスン・ポーストの『ドウムドー....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
ては、上の例にて音響の小なるを大砲のごとく大声なりと誤り聞こゆるは、あたかも水の
高所よりひくき所に流るるを防ぎおき、その防ぎおきたる所を不意に押しきるときは、水....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
を引く、草の実は外套からズボンから、地の見えぬまで粘りつく。 辛うじてかなりの
高所へ出た。栂の根元の草の中に三脚を据える。前に見えるのは悪沢と赤石で、右に近い....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ここに攀躋するや、悪道険峻、満身汗を流し、昨冬小笠原母島を跋渉せるときを想出す。
高所に達して一望するに、四面みな山、その間に海水を挟み、湾曲幾弓なるを知らず。遠....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
に敢然囚われず、身みずから僧をもって任じつつも、僧侶型に顧念せず、凡百の能書に最
高所を採り、二流的妙品にはいささかも眼をくれず、一意最高書道に向かって進暢を計る....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
合、水車を使えば、その水車にもう因果の理が附け加わっています。水車の水を低所より
高所に掬い上げる機能が因であります。足で水車を踏む縁によって、水は苗をひたひたと....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
出来ませんでしたが、われわれがほかと少し違うところは、その経営法が大雑把で、大所
高所から見た、すなわち、急がば廻れ式のソロバンをはじいていたことなんです。ふつう....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
我ら日本軍人が西洋の軍事学を学ぶについてはよく日本民族の綜合的特性を活用し、
高所大所より観察して公正なる判断を下し独自の識見を持たねばならぬ。 民族性、将....