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高波
「高波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
」は草の上へうつぶしに倒れて苦しそうに泣きだした……総身をブルブル震わして頂門で
高波を打たせた……こらえに堪えた溜め涙の関が一時に切れたので。「ヴィクトル」は泣....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
近くで私と一緒にわずかに波乗り位して居るだけだった。「おーうい」と赫子はかなりの
高波の間から手招ぎをした。少し離れた処で麻川氏も「泳ぎませんか坂本さん。」赫子「....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
は言いながら、父親が没してから全《まる》十年、生死《いきじに》の海のうやつらやの
高波に揺られ揺られて辛《かろう》じて泳出《およぎいだ》した官海もやはり波風の静ま....
「道標」より 著者:宮本百合子
はあったにしろ、一九一七年という年、その十月という月に、勇気と恐怖と、涙と歓喜の
高波をくぐったすべての男、そして当然女も、みんな少くとも一篇だけは、自分たちの物....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
突発的の暴風雨と戦っています。こう言って悲痛な叫びを立てた船頭の声は、山のような
高波の下から聞えました。 水主《かこ》も楫取《かじとり》もその
高波の下を潜って....
「巌の花」より 著者:宮本百合子
のを持たされなかった。きょう、またおどろくような迅さで、日本の人民生活と文化とが
高波にさらされようとしているとき、文学を文学として守るためにも、この著者の諸評論....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
をのせはじめた。 永井荷風によって出発したジャーナリズムは、インフレーションの
高波をくぐって生存を争うけわしさから、織田作之助、舟橋聖一、田村泰次郎、井上友一....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
、ただひとり万斛の同情と親愛をよせてくれる人があると思うと、千三の胸に感激の血が
高波のごとくおどらざるを得ない。かれは石のごとく沈黙した。 「ねえ青木君、ぼくの....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
とになった。階級的作家として転換してから理論的にも創作能力においても未成熟のまま
高波とたたかってゆかなければならなかった。一九三二年から一九四五年八月十五日まで....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
茶店の裏手は遠近の山また山の山続きで、その日の静かなる海面よりも、一層かえって
高波を蜿らしているようでありました。 小宮山は、快く草臥を休めましたが、何か思....
「津浪と人間」より 著者:寺田寅彦
はないのである。 これが、二年、三年、あるいは五年に一回はきっと十数メートルの
高波が襲って来るのであったら、津浪はもう天変でも地異でもなくなるであろう。 風....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
れらの家々の屋根は大抵吹きめくられ、吹き飛ばされてしまった。その上に津波のような
高波が打寄せて来て、品川や深川の沖にかかっていた大船小舟はことごとく浜辺に打揚げ....
「藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
おさめ、船板は釘からはずして、入江の岸に井桁《いげた》に積みあげておいたが、急に
高波が来て、跡形もなく浚《さら》って行ってしまった。 日和《ひより》を見さだめ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ひきとめる人々の手をふり切って飛沫《しぶき》をあげて海の中へ躍り込んだが、最初の
高波が、『恋人』を岸へ叩きつけてしまった。 岸に立ちならんでいる人々の口から、....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
へ草書をまわして、 此処寛政三年波あれの時、家流れ人死するもの少からず、此の後
高波の変はかりがたく、溺死の難なしというべからず、是に寄りて西入船町を限り、東吉....