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高潔
「高潔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高潔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
木村の肖像まで入れて、ハミルトン氏配下の敏腕家の一人《ひとり》として、また品性の
高潔な公共心の厚い好個の青年実業家として、やがては日本において、米国におけるピー....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
には解らぬことであるから、最後にこれを説こうと思う。高峰の雪というと、誰でもその
高潔を予想するが、新雪はともかく、いわゆる万年雪の状態にあるものは、表面は雨水が....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
》く収めて、白峰の二字に在る、「北に遠ざかりて(何等の神秘)雪白き山あり(何等の
高潔)」即ち白峰である、何という透き通った感じのする山であろう、この外に美しい名....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
。僕の生活は内面的にも外面的にも、矛盾と矛盾で持ち切っているのだ。趣味の上からは
高潔純正をよろこび、高い理想の文芸を味おうてる身で、生活上からは凡人も卑しとする....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
て来るさまざまの苦痛と疲労とを考えれば、いッそのこと、レオナドのように、独身で、
高潔に通した方が幸福であったかと、何となく懐かしいような気がする。しかし、また考....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
伏して、暫くは顔があげれなかった。 T市の市政をめぐる恐ろしい嵐は過ぎ去った。
高潔なる高屋市長は自殺し、敏腕を謳われた黒河内警視総監は辞職し、悍雄動坂三郎はマ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ベアトリーチェを信頼した。それは彼の深い莫大な信念からというよりも、むしろ彼女の
高潔なる特性による必然的の力に由来しているのであったが、今や彼の精神は、これまで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は、地の世界を脱れたとて、依然として旧態を守り、これと同様に、地上にありて品性の
高潔なるもの、志操の確実なるもの、向上心の強きものは、死後に於て、決して悪魔の徒....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
交を許していただけるでしょうか」 「あなたが人格品性において僧侶たるにふさわしい
高潔なものへの変貌を如実に示して下されば問題は自然に解決します」 「ところが、ま....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
至った。そのとき、彼が見つけた広告は、 「実直なる五十年配の教養ある紳士を求む。
高潔なる人格を要す。高給比類なし。天草商事」 というような文面であった。高給比....
「おみな」より 著者:坂口安吾
方だ。 「女はお勝手の仕事をしてももう駄目です」とこの人は私に語るのだ。男の魂を
高潔ならしむるために、選ばれた女はただ美しい装飾でなければならぬとこの人は言う。....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
重点的に、あらゆる施設を充実せしむることが出来るならば、花柳社会の陰影から、明朗
高潔の天地を築き上げることができると確信した。 そして、東京会館と帝劇とを買収....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
すがね。」 「じゃ、僕のところで高給を出そうよ。それからね、僕は、実に、その君の
高潔なる犠牲的精神と、現代、農村青年のみが持っている本当の真面目さに惚れ込んだよ....
「笑わない娘」より 著者:小川未明
の娘は、詩人というものじゃ。宝石より空の星が美しいとは、いまどきには、めずらしい
高潔な思想じゃ。平常、沈んでいるのも、ものをいわないのもよくわかるような気がする....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
小善主義を叱って大善主義を高唱するのであります。もちろん、そのためには強烈無比、
高潔至極の大生命の光照を享け、その自由暢達な働きによって自己の全能率を総動員して....