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高潮
「高潮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高潮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
木村の手紙を一枚一枚読み進んだ。おとなびたようで子供っぽい、そうかと思うと感情の
高潮を示したと思われる所も妙に打算的な所が離れ切らないと葉子に思わせるような内容....
「交尾」より 著者:梶井基次郎
の渡るように響いて来る。それは近くの瀬の波頭の間から高まって来て、眼の下の一団で
高潮に達しる。その伝播《でんぱ》は微妙で、絶えず湧《わ》き起り絶えず揺れ動く一つ....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
日本全国が、今や恐るべき天災のために、刻々とくずされ、焼きつくされ、そして大洋の
高潮に洗われていることであろう。 救援は、誰がする? 関東震災のときは、関西....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
獣のお話ですよ」 慶応元年六月十五日の夜は、江戸に大風雨があって、深川あたりは
高潮におそわれた。近在にも出水がみなぎって溺死人がたくさん出来た。そのおそろしい....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
う大役を作りあげたので、その卓の近所からはわッと喚声が湧き上りましたが、それを最
高潮として、一座はだんだん気味のわるい静寂に襲われて来ました。兄夫妻の卓では、勝....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
駁論を挙げたでしょう。ところが、不審なことには、その論争が一年も続いて、まさしく
高潮に達したと思われた矢先に、まるでそれが、黙契でも成り立ったかのように消え失せ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
神聖にして且つ偉大なる人生よ。」 ラザルスは沈黙を続けていると、皇帝はますます
高潮して来る厳粛の感に堪えないように、なおも言葉をつづけた。 「死の牙から辛うじ....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
高い波と波のあいだを、はくちょうのようにふかくくぐるかとおもうと、またもりあがる
高潮の上につき上げられてでて来ました。これは海おとめの身にすると、なかなかおもし....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
った調子の、情熱的なスパニッシュ・ワンステップをね。そして、その踊の、情熱の、最
高潮に達した時に、今迄夫人の心の底でのたうち回っていた悪魔が、突然首を持上げたの....
「獅子は死せるに非ず」より 著者:小栗虫太郎
人は惜しまれ……花は爛漫のとき……そして「シュピオ」は、もっとも売れつつある
高潮期に幕をおろす。もちろん、営業部からは続刊の希望もあったが、すでに一年間とさ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
安全な地ではないのだ。 「私、まだここには一年しかいませんけど、時々、おそろしい
高潮が襲ってくるのです。その時は、木へのぼって、ぶるぶる顫えていなければなりませ....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
であることを多少に拘らず証拠立てて来る。 戦争となると、日常生活よりも真剣味が
高潮しているだけに、一層この感が深い。一度火蓋を切ったが最後、全戦線が「能的の気....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
にさらし|酒の神と踊りたわむるこの裸の祭典にまさるものが他にあろうか。宴は益々最
高潮、舞台のつもりでつい浮かれでて、浴衣をぬぎ、美事にぬいだストリップ。アッ! ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
―新蔵の死――菊之助の死――最後の小町姫 「暁雨」と「小猿七之助」 歌舞伎劇の最
高潮――渋蛇の目の流行――丑之助のおなみ――諸新聞の攻撃――上演中止命令 又三郎....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
の精神は全くブルジョア階級に死んで、独り無産階級にのみ生きている。蓋し、この愛の
高潮でなければならないと信じます。 共産制度の世界に到達して、生産の豊富から、....