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高調
「高調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れが葉子をいっそう快活にした。葉子は久しぶりでその銀の鈴のような澄みとおった声で
高調子に物をいいながら二言《ふたこと》目には涼しく笑った。
「さ、貞《さあ》ちゃ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
音が颯《さっ》と高い。 「おお、冷《つめて》え、本降《ほんぶり》、本降。」 と
高調子《たかぢょうし》で門を入ったのが、此処《ここ》に差向《さしむか》ったこの、....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
の主意を知ってるかよ」 女は黙しぬ。首《こうべ》を低《た》れぬ。老夫はますます
高調子。 「解《わか》るまい、こりゃおそらく解るまいて。何も儀式を見習わせようた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
っちだ、はははは。」 十二時近い新橋|停車場の、まばらな、陰気な構内も、冴返る
高調子で、主税を呼懸けたのは、め組の惣助。 手荷物はすっかり、このいさみが預っ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
構成される。そして人間生活に於ける最も崇高な行為として犠牲とか献身とかいう徳行が
高調される。そして更にこの観念が、利己主義の急所を衝くべき最も鋭利な武器として考....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
お光さん、私だ、榊だ、分りますか。」 「旦那さんか、旦那さんか。」 と突拍子な
高調子で、譫言のように言ったが、 「ようこそなあ――こんなものに……面も、からだ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、笑声が、ほとんど一所に小次郎法師の耳に入った。 あたかもその時、亭主驚いたか
高調子に、 「傘や洋傘の繕い!――洋傘張替繕い直し……」 蝉の鳴く音を貫いて、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
履穿きの半纏着、背中へ白く月を浴びて、赤い鼻をぬいと出す。 「へい。」と筒抜けの
高調子で、亭主帳場へ棒に突立ち、 「お方、そりゃ早うせぬかい。」 女房は澄まし....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
んだんに広がりはじめたのです。 ちょうどその時分文壇思想界は個人主義思想の最も
高調されている時分でした。彼のエゴイスティックな傾向は、極端な個人主義の理屈とい....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
も深い知識ととんちをもっている。きみは天才はあるが、思慮がないよ。持ってうまれた
高調子で、とんきょうにやりだす、すぐ上からふろしきをかぶされてしまうのさ。そこは....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
ド紙の。似て居ますか?」 流石に印度女達は黙ってしまった。そして今までの突飛な
高調した態度とは打って変って極めて常識的な地味な女達になってお互いにこそこそ用事....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
今は皺になった。 「深川の方で、ええ、その洲崎の方で、」 女房聞くや否や、ちと
高調子に、 「お前、何をいうんだね。」 「だって、おかみさんは何でしょう、弁天町....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
言いよかったろう、もう、莞爾して、 「何をしていらっしゃるの。」 下品な唄を、
高調子で繰返す稼ぎのせいか、またうまれつきの声調か、幅があって、そして掠れた声が....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
言文一致体を創めたというは頗る不思議な因縁であった。尤もこれより以前、漢字廃止を
高調した仮名の会の創立当時から言文一致は識者の間に主張され、極めて簡単な記事文や....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
先決問題であるというが博士の論旨で、人種改良の速成法として欧米人との雑婚を盛んに
高調した。K博士の卓説の御利生でもあるまいが、某の大臣の夫人が紅毛碧眼の子を産ん....