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高遠
「高遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
う。少なくとも僕の知恵は今よりも進んでいたかわりに、僕の心はヲーズヲース一巻より
高遠にして清新なる詩想を受用しうることができなかっただろうと信ずる。 僕は野山....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
れから、吸いかけた煙管を、金の火鉢だ、遠慮なくコッツンと敲いて、 「……(伊那や
高遠の余り米)……と言うでございます、米、この女中の名でございます、お米。」 「....
「食魔」より 著者:岡本かの子
しいようになった。 鼈四郎は檜垣の主人に対しては対蹠的に、いつも東洋芸術の幽邃
高遠を主張して立向う立場に立つのだが、反噬して来る檜垣の主人の西洋芸術なるものを....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
第二日、早朝出発し剣ヶ峯―前駒―南駒と縦走して飯島へ十六時間、第三日、伊那町より
高遠を経て戸台にいたり、弁当三食分を持って登り北沢小屋へ十二時間、第四日、仙丈へ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
えた。と、一つの肉豊かの、坊主|首級が現われた。それを握っている手が見えた。 「
高遠城主平賀源心! あいつの首級だ、あいつの首級だ!」またはっきりと思い出した。....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
これまで書き綴った物語はほんの全体の序曲に過ぎぬ。次回から本題へ入るのである。
高遠城下の巻 一 「先生、いかがでございましょう? すこしはよ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
随分高いと称する、まず何といっていいか、理想の高いちょっと常人の近寄れないという
高遠な芸術というところまであるようです。それを詳しく調べると、美学者という専門に....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
りて水平線上は雲一つ見えない、また四国地が波の上に鮮やかに見える。すべての眺望が
高遠、壮大で、かつ優美である。 一同は寒気を防ぐために盛んに焼火をして猟師を待....
「髪」より 著者:織田作之助
いなかった。ただ一つ私は東京帝国大学の文科というものを信じていた。そこでの講義は
高遠であり、私のような学識のない者は到底その講義を理解することが出来ぬだろうと真....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
うことが頗る困難であるから何人にも楽むということが出来ない処がある、茶の湯は奥に
高遠の理想を持って居れど、初期に常識的の部分が多く、一の統率者あれば何人も其娯楽....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
うもない素質的のものであるかを根本に感じ、今更ながら現実肯定の仏教が、その思想が
高遠であるだけそれだけ西洋人の宗教概念とは相容れず、うっかりすれば単なる厭世教に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
フを祖述する二葉亭の文学論は当時の女学生の耳には(恐らくは今の女学生にも)余りに
高遠|深邃であって、満堂殆んど耳を傾くるものが一人もないのに失望していくばくもな....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
浄い事業の新しい境界へとこころざす
心の支度が出来たように己は感ずる。
こんな
高遠な生活、こんな神々の歓喜のような歓喜。
まだ蛆でいる貴様になんの功があってこ....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
るのです。またこの霊魂をもって書かれた大芸術こそ、人生のための芸術であり、我等の
高遠な目的に向って進むに当って、鼓舞して止まない真の芸術ではあるのです。 流石....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あらゆる善美な宗教的儀式軌則はもとより、芸術をも採用されたのであります。これ最も
高遠なる理想を最も現世的のものに見出す大師一流の仏教哲学の帰結の方法であります。....