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高鳴り
「高鳴り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
高鳴りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
赤いみみずばれの跡がはっきりとついていたものでしたから、突然右門の胸はどきどきと
高鳴りました。しかも、それがまだ新しいつめの跡らしかったのでしたから、右門はやや....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
爪先から段々と頭の方へ昇りつめて来るのを感じました。耳は火のようにほてり、鼓動は
高鳴り、電鍵を握る指端にはいつの間にかシットリと油汗が滲み出ていました。相手は何....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
雪輪で雪を蹴散らした痕が二、三間毎についているが、右側には全然ない。 私の胸は
高鳴りはじめた。予想が適中したのだ。つまりそのスキーの主は、左手には杖を突きなが....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
いた。山崎は、あまり話が上わずッていたと、また後悔しながら、心臓に押しよせる血の
高鳴りを聞いた。 部屋の中には、約二十挺の鉄砲と、箱に這入った拳銃が古靴を積重....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
うと予想して、この手紙を書きながらも、僕は、生れてから始めて経験するほどの、胸の
高鳴りを覚えつゝあるのだ。君が結婚しようとする雪江さんは、僕もまんざら知らぬ仲で....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の類をふりかざしているのです。 一|揆? 百姓一揆? どきりと退屈男の胸は
高鳴りました。一揆だったら事穏かでない。――まさに由々敷重大事なのです――その刹....
「海底都市」より 著者:海野十三
なって、だんぜん光を放つでしょう。ああ、そのときのことを今から予想しただけで胸が
高鳴りますわ」 「うわッ、とんでもない。考古人類学は、詩ではないです。あなたみた....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
の家である、かれは今にも伯父が乱闘乱戦に火花をちらしているかのように思った、胸が
高鳴りして身体がふるえた。町に松月楼という料理屋がある、その前にさしかかったとき....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た。あっ! 私の娘だ――夫人はジプシーの老婆の腕から奪い取った我が子を、嬉しさに
高鳴りするわが胸へしっかりと抱きしめた。 夫人の叫び声におどろかされて、家人が....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
っている。あらゆるものに未知な、あらゆる汚れに未知な青年の口から、大らかな言葉が
高鳴りひびくのがフシギである。 「君、お金に困ったことなんか、ないだろう」 「そ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
I nomore beheld thee. 【昨夜|妾は夢みたりき。山二つ響き
高鳴りて汝が頭に落ち、もはや汝が姿を見る能わざりき】 とある下の空行に、次の数....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
と打った。とたんにアッといって飛び上がったのは、思いもよらず鼓の音が、素晴らしく
高鳴りをしたからであった。「こんな筈はない。どうしたんだろう?」そこでもう一度坐....
「接吻」より 著者:神西清
かく地平線上に、例の見覚えのある教会と白い穀倉が見えてきた。リャボーヴィチの胸は
高鳴りはじめた。……彼は轡をならべて進んでいる将校が、しきりに自分に話しかけて来....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
臓の鼓動が急に高まって、呼吸が促迫しはじめた。取り乱すまいと思えば思うほど、胸は
高鳴りを増すだけであった。 が、彼のこの苦境を、彼女は早くも見て取って、それを....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
展べた一線が、幾多の峰頭を鈍い金字形に統一した尨大な薬師岳との間に、鏑箭のように
高鳴りして雲平の高原を拡げている。其奥に筋骨を剥き出した黒部五郎岳が火山のような....