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髪床
「髪床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
髪床の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ござんせんか! ご番所からお呼び出し状が来たんですよ!」 「でも変だな。おまえは
髪床へいって、朝湯へ回って、たいそうごきげんうるわしくおめかしをしていたはずだが....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
た。 菜園にはすでに芽も青々と出ているし、風呂二つも今明日より入れるそうだし、
髪床も数日うちに開店のよし。 ◯附近に焼夷弾の筒が十数本、一邸内に固まっていると....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
すか。いや、面白い面白い。次は何じゃ」 「床屋が渡世の新吉と申す者でござります。
髪床は人の寄り場所、したがって世間のことを少々――」 「なるほど。世間通じゃと申....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
に Thomas Reed というのがあった。この男があるとき、まだ馴染のない理
髪床へ鬚を剃りに入って往ったことがあった。 黒ん坊の鬚剃り職人は、髪の毛の薄く....
「火星兵団」より 著者:海野十三
は、どうしますか」
蟻田博士は、千二の方をみて、にっこり笑い、
「千二。お前、
髪床やさんになってくれぬか」
「えっ、
髪床やさん」
「そうじゃ。丸木艇においつく....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
体に蛭のように吸いついて、容易に離れようともしなかったのである。万吉郎はちょっと
髪床にゆくのだというのに、このばかばかしい騒ぎであった。 そんなことが、万吉郎....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
乃公の気に入っていたわけだが、奥の方の壁に大きな鏡が嵌めこんであったのだ。それは
髪床の鏡よりももっと大きく、天井から床にまで達する大姿見で、幅も二間ほどあり、そ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
「オウ、分団長はいますかァ……」 と、自転車で駈けつけてきたのは、警報班長の
髪床屋の清さんだった。 「分団長は、ここだここだ。清さん清さん」 声を聞きつけ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
のごとくにいいなす、それを見て巌はますます父はえらいと思った。 その日かれは理
髪床でふたりの客が話しているのをきいた。 「さすがの猛太も今日こそは往生したらし....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
では前の方にばらりッと下ったのが流行ります、あれはまア乱れて下ったのかと思うと結
髪床での誂えです、西洋床の親方なんぞは最う心得て居りますから、先方から、 床「ど....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
もう散った――などとこのあわただしさが、さくらのさくらたる命だと聞くが、風呂屋や
髪床のような人寄り場に、桜花より先に、花のうわさにはなが咲く……そうした一日の午....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は角の海老床へ行って「親分え?」と顔を出す方がはるかに早計《はやみち》であった。
髪床の上り框《がまち》に大胡坐をかいて、鳶の若い者や老舗の隠居を相手に、日永《ひ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
えで釘抜藤吉は大っぴらに一つ欠伸《あくび》を洩らした。 「おっとっとっと――。」
髪床の親方甚八は、あわてて藤吉の額から剃刀の刃を離した。 「親方、いけねえぜ、当....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
》の勘弁勘次《かんべんかんじ》。十三夜の月は出でて間もない。 どっと起る笑い。
髪床の親方甚八とに組の頭常吉との向い拳で、甚八が鉄砲と庄屋の構えを取り違えたとい....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
差しかけた破《やぶ》れ奴傘《やっこ》で煙る霖雨《きりさめ》を除けながら今しもこの
髪床の前を通るところ。その雨傘の柄を握った手の甲、青花《はないろ》の袖口から隙い....