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髪結い
「髪結い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
髪結いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
それももう行き詰まった。茶屋はさておいて、宿屋の払いさえも出来なくなった。彼は
髪結い銭にも煙草銭にも困って、宿の者の眼につかないように着替えの衣服《きもの》や....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、先ずそう云うのほかはなかった。市蔵は子分らを散々あやまらせて、それから近所の
髪結いを呼んで、半七の髪を結い直させた。白井屋も恐れ入って、あらん限りの肴を運び....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
工をするのでなく、ぶつ切りの飴ん棒を一本二本ずつ売るんです」 「じゃあ、和国橋の
髪結い藤次の芝居に出る唐人市兵衛、あのたぐいでしょう」 「そうです、そうです。更....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
熊や、おめえも嗅いでみろ」 三 「尼さんには用のねえ商売だが、男か女の
髪結いで、ここの家へ心安く出這入りをする者がありますかえ」と、半七は訊いた。 ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
母の死骸が着いた晩、三の町のお嬶といって、昔僕の家が新発田へ行ったその日から母の
髪結いさんとして出はいりして、そしてその後
髪結いをよしてからもずっと母の一番親し....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
は、世間体のいゝ方でした。それから、髪を結うのもいゝことになっていました。陣中に
髪結いはいないから、どうしてもお互いに髪を結い合うより外はない。それですから、武....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
あるエロチックな錦絵さえも想像させてくれるのである。 下町へ行くと、今もなお女
髪結いの上っ張りの如く、西洋のねまきの如き、あんまの療治服の如き俗にこれをアッパ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
と少し。 物語の銀六は、大和|巡する頃病みてまかりぬ。小六はおいたり。しのぶも
髪結いたり。小稲はよきほどの女房とはなりぬ。 その間、年に風雨あり。朝に霜あり....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
うとっくに死んでいたおきみ婆さんと同じようにお歯黒に染めていたその婆さんは、もと
髪結いをしていて、その家の軒には「おめかし処」と父の筆で書いた行灯が掛っていたの....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
出来んのだから、通じるはずはないし……。誰だね、とき……霜やかね? 末起は、誰が
髪結いを連れてきたか知ってるだろうが」 末起は、ちょっとの間、窺うように黙って....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、地方の娘たちの髱が皆長くなった。そして姉や妹たちのは大阪の娘よりまだ長いのだ。
髪結いたちは姉からリイドされるのだ。勿論気に入るまでは何度でも結い直させ、思いき....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
入れを奥歯で噛んで畳の上敷きへ投りつけさては村様か目が足りなんだとそのあくる日の
髪結いにまで当り散らし欺されて啼く月夜烏まよわぬことと触れ廻りしより村様の村はむ....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
お嫁入りすることになりました。昔のことですから、美容院などというものはなく、髪は
髪結いさんに結ってもらいますが、お化粧は身内の者がいたします。 「つうさんにして....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
匠の望月太喜次さんはやはり東どなりに住んでいた。裏手の露地の出口に住んでいる女|
髪結いの娘はもう常磐津の名取りになって、いわゆる狼連の若い衆を毎晩|唸らせていた....
「三味線の胴」より 著者:上村松園
きい方かもしれない。 一番特徴のあるのは髪の毛で、そのたけの長い事にかけては、
髪結いさんに結わせるときっとびっくりする。解いてうしろに垂れると、裾に引きずる。....