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「髭面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

髭面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
中学の津川五郎子、非常なヘビーを出して遥か先頭に進み、続いて髯将軍、羅漢将軍等、髭面《ひげづら》抱えてスタコラ走って行《ゆ》く有様は、全く正気の沙汰《さた》とは....
古き小画」より 著者:宮本百合子
に吟味した。或る者は片手に下げて、仔細らしく重みをはかった。剽軽《ひょうきん》な髭面男は、嬉しそうに、仲間をそれで脅しながら「ツランの小人、覚悟しろ! とは云わ....
」より 著者:宮本百合子
わせた蠅を見守った。蠅は一向感情を動かさないらしかった。全然自分の目前に、源一の髭面が突出ているのさえ認めないらしい。源一は、劬《いたわ》りつつ口を尖《とがら》....
」より 著者:宮本百合子
ヴァの模様が緑色で浮き出している。ジェルテルスキーはその模様を指した。ステパンは髭面を動かして頷《うなず》く。……中に、ステパンの会話の力で判断してだろう、片仮....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
てしまった…だが彼奴はまア何だろう、私を女と思って居やアがって、無闇と人の頬片へ髭面を摩り附けやアがって……おや笠を落してしまった、仕様が無いなア……おや笠は此....
反逆」より 著者:矢田津世子
」 お松はまじまじと息子を見た。二タ月の間に、全で別人のように変っている。この髭面、この服装、この無愛想。あの模範職工の几帖面はどこへ失せてしまったろう……。....
火星探険」より 著者:海野十三
ずれるのであった。博士だけはますます熱中して、箱車の穴の中に、そのもじゃもじゃの髭面をつきこみそうだった。 とんだ災難 やがて博士は、箱車から顔を放した....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
帽がヌッと入って、続いて縞のズボンに靴の先がチラリと見えたかと思うと、渋紙色した髭面《ひげつら》が勃然《むッくり》仰向《あおむ》いたから、急いで首を引込《ひッこ....
火薬船」より 著者:海野十三
したい一心で、火薬船などと手前をつくろう手もないではないからのう」 事務長は、髭面には似合わず、少女のようにはじらいながら、 「どうもソノ、あの場合ぐずぐずし....
夜の靴」より 著者:横光利一
変って来る。 「ほう、これは美味い。砂糖だ。」 相好を崩してそういう参右衛門の髭面へ、鍋炭が二本灼痕のように長くついていて、味噌や醤油を作る夜とはだいぶ様子が....
東京要塞」より 著者:海野十三
た。 それとなく辺りを窺うと、この室内には一行六人の外に彼等を連れてきた逞しい髭面の番人が一人、そのほかにこの工場の人らしい職工ズボンを履いた男が三人いて、こ....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
で貰いに持って来る。女と見れば、しっかりいつまでも手を握ったりして居る。きたない髭面、目くぼみの背低。 フイリッポフ、ドンジュアンと呼ぶ。 前に、シベリアで....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
から、十数人の村人が五郎八茶碗に掬って、おいしそうに啜った。そして、雲助のような髭面に、濁酒の白い滓をたらし、あかい顔で何かわめいていた人達の姿が、いまでも私の....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ると、相手はただもう無性に鼻づらをすり寄せてくるのだった。もっさりと気の利かない髭面を、むっちりした胸のふくらみへ押しこんできながら、何やら小声で鼻唄をうたいだ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
師直の一家中もその数には洩れないで、かれらが生い立った武蔵野の芒をそのままという髭面をそらせて、坂東声を遠慮|会釈もなしに振り立てるいわゆる「猛者」の巣窟である....