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鬆
「鬆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬆の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中」より 著者:森鴎外
そんなら為方《しかた》がないから一人で行くわ。」 お松は夜着の中から滑り出て、
鬆《ゆる》んだ細帯を締め直しながら、梯子段《はしごだん》の方へ歩き出した。二階の....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
を擣くものもあった。主公はこれを見て興に入った。筍の周囲の土は、予め掘り起して、
鬆めた後にまた掻き寄せてあったそうである。それでも芸人らは容易く抜くことを得なか....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
与える光音香味の元子は丸くなめらかであり、不快に感ぜらるるものの元子は角があり粗
鬆であると考える。暑さと寒さの元子はいずれも刺がある。その刺のある様子がちがうと....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
力の減った結果として次第に泡沫となって遊離して来る、従って内部が次第に海綿状に粗
鬆になると同時に膨張して外側の固結した皮殻に深い亀裂を生じたのではないかという気....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
の三層からなっているが、その外果皮には多数の油点がある。中果皮は外果皮に連なり粗
鬆質である。内果皮は薄いけれども組織が緊密で、いわゆるミカンの嚢の外膜をなしてい....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
がごとし。南宗を学びしはその雅致多きを愛せしならん。南宗を脱せんとせしは南宗の粗
鬆《そしょう》なる筆法、狭隘《きょうあい》なる規模がよく自己の美想を現わすを得ざ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
を湯煮《ゆで》る時お湯の中へ上等の葛《くず》を少しお入れなさい。長く煮ても決して
鬆《す》が立ちません。普通《なみ》のお豆腐でも絹漉《きぬごし》のように柔くなりま....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
のよりきっと余計に膨れておりましょう」小山「ハイ膨れ方は多いようです。それに中の
鬆《す》が此方のよりも多く出来ます。今のお言葉で一言もありません。家内が玉子を泡....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
一時間ほど湯煮るなり。火加減は強からぬがよし。火が強過ぎて湯が沸騰するとプデンに
鬆《す》が立ち味悪し。ブリキ型のなき時は茶筒の蓋へ入れ上から布巾をかけて湯煮ても....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
力の減った結果として次第に泡沫となって遊離して来る、従って内部が次第に海綿状に粗
鬆《そしょう》になると同時に膨脹して外側の固結した皮殻に深い亀裂を生じたのではな....