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鬚
「鬚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
入ったから、御老人さえよければ差し上げようと思って持って来ました。」
崋山は、
鬚《ひげ》の痕《あと》の青い顋《あご》を撫《な》でながら、満足そうにこう言った。....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《やなぎまち》の廓《くるわ》にいたのは、まだ三十を越えていない、赧《あか》ら顔に
鬚《ひげ》の生えた、浪人だと云うではありませんか？ 歌舞伎《かぶき》の小屋を擾《....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
。その上不思議な事には、その竜燈が、どうも生きているような心もちがする、現に長い
鬚《ひげ》などは、ひとりでに左右へ動くらしい。――と思う中にそれもだんだん視野の....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
れている。年は四十五六であろう。額の狭《せま》い、顴骨《かんこつ》の突き出た、頬
鬚《ほおひげ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と称《と....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
窺っていた。楼の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。短い
鬚の中に、赤く膿《うみ》を持った面皰《にきび》のある頬である。下人は、始めから、....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
火をつけた。西洋人じみた顔が、下から赤い火に照らされると、濃い煙が疎《まばら》な
鬚をかすめて、埃及《エジプト》の匂をぷんとさせる。本間さんはそれを見ると何故か急....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に赤と白と三角模様の倭衣《しずり》の袖《そで》をまくり上げた、顔中《かおじゅう》
鬚《ひげ》に埋《うず》まっている、背《せい》の低い猪首《いくび》の若者は、誰も持....
「少年」より 著者:芥川竜之介
るのであろう、鉄縁《てつぶち》のパンス・ネエをかけた、鶏のように顔の赤い、短い頬
鬚《ほおひげ》のある仏蘭西《フランス》人である。保吉は横目を使いながら、ちょっと....
「或る女」より 著者:有島武郎
の次にひどく落ち付かぬ様子をし出したのは事務長と向かい合って食卓の他の一端にいた
鬚《ひげ》の白いアメリカ人の船長であった。あわてて席を立って、右手にナプキンを下....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
助かるんではないかと思って、すぐ坐蒲団を取りに行って来た。 お医者さんは、白い
鬚の方のではない、金縁の眼がねをかけた方のだった。その若いお医者さんが八っちゃん....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
れることに違いない。然し私はお前に云う。躊躇するな。お前が外界に向けて拡げていた
鬚根の凡てを抜き取って、先を揃えて私の中に※完全なものはないのだ。 かくてよう....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
さね、何のためだろう。それにあのそれ呼吸器とかいうものを口へ押着けてさ、おまけに
鬚を生やしてるじゃあないか。それで高帽子で、羽織がというと、縞の透綾を黒に染返し....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ま、唖のように黙っていました。すると閻魔大王は、持っていた鉄の笏を挙げて、顔中の
鬚を逆立てながら、 「その方はここをどこだと思う？ 速に返答をすれば好し、さもな....
「初雪」より 著者:秋田滋
がノルマンディーの貴族と結婚させられたのは、四年前のことである。良人というのは、
鬚の濃い、顔色のつやつやとした、肩幅の広い男で、物わかりは余りいいほうではなかっ....
「米」より 著者:犬田卯
とか、こうお上の力で、こっちへ廻してよこすような方法をとれねえもんかな」と中年の
鬚もじゃ親父が言って、眼玉をぎょろつかせた。 三 それにしても、もう....