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鬨
「鬨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
を修したとは、とりも直さず御坊の事じゃ。」
勝ち誇ったあの沙門は、思わずどっと
鬨《とき》をつくった人々の声を圧しながら、高らかにこう罵りました。その声を浴びた....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ろ》と尾を垂れた鶏が一羽、祭壇の上に胸を張ったまま、もう一度、夜でも明けたように
鬨《とき》をつくっているではないか?
オルガンティノは飛び上るが早いか、アビト....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
たことじゃ。七十日の祈りもしっかい空《くう》となって、悪魔が調伏の壇にのぼって勝
鬨《かちどき》をあぐるとは、しょせん泰親の法もすたった。上《かみ》に申し訳がない....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
と、何かこの若い女の罵っている声が聞えました。それはまたどこかの庭鳥がのんびりと
鬨を作っている中に、如何にも物ものしく聞えるのです。書生はどうしたのかと思いなが....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
いった。 「たのみますよ」 時に、かの女のいるテーブルの反対側の広間から、俄に
鬨の声が挙って、手擲弾でも投げつけたような音がし出した。かの女はぴくりとして怯え....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と大きく書かれた番茶茶碗は、これらの人々の前に置かれた。調練場の方ではどッと云う
鬨の声が揚がった。焙烙調練が始まったらしい。 わたしは巻煙草を喫みながら、椅子....
「海底都市」より 著者:海野十三
つぶせ」 トロ族群衆の興奮と激昂《げきこう》とはその頂点に達した。ついに彼らは
鬨《とき》の声をあげて、僕の方へ殺到した。手に手に異様な凶器《きょうき》を持ち、....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
鑿を試む。月影さす。 そりゃ光がさす、月の光あれ、眼玉。(鑿を試み、小耳を傾け、
鬨のごとく叫ぶ天守下の声を聞く) 世は戦でも、胡蝶が舞う、撫子も桔梗も咲くぞ。―....
「○○獣」より 著者:海野十三
敬二は始めて合点がいったという顔をした。 そのとき、大勢の群衆がうわーっと
鬨の声をあげた。 「騒ぐな騒ぐな」 と、蟹寺博士は群衆を一生懸命に制しているが....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
をつかんで、鉄板の上に倒れた。 「あ、仲間を殺したな。それ」 残りの印度人は、
鬨の声をあげて、うわーっととびだしてくる。 だーん、だーん。 フランク大尉は....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
る。他の店の黄色或いは丹色の日覆いも旗の色と共に眼に効果を現わして来た。包囲した
鬨の声のような喧騒に混って音楽の音が八方から伝わる。 新吉は向う側の装身具店の....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
うの恋人を横取りされたことを覚ったかも知れないが、今となっては恨みを呑んでその勝
鬨の声を聞くのほかはなかった。そのうちに結婚の日は眼のまえに迫って来るので、一種....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
か、勇士か、紳士のようだった。ぴかぴかした翼をはたき、心から嬉しく得意になって、
鬨をつくり、ときどき地面を足で引っかき、それから、いつでも空腹をかかえている女房....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
入道の魂には天狗が棲んで、驕慢放埓の果てに一族一門みな亡び尽くしたので、味方は勝
鬨をあげて故郷に帰ると、日本はふたたび太平のむかしに復ろうとする。かくてはならぬ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
自分をたちまち衣を奪って追い散らすのですから、そして新しく起った自分の中の敵が勝
鬨を挙げるのですから、こんな苦々しい事はありません。 しかし、この苦々しさを身....