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「鬨の声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬨の声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
いった。 「たのみますよ」 時に、かの女のいるテーブルの反対側の広間から、俄に鬨の声が挙って、手擲弾でも投げつけたような音がし出した。かの女はぴくりとして怯え....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と大きく書かれた番茶茶碗は、これらの人々の前に置かれた。調練場の方ではどッと云う鬨の声が揚がった。焙烙調練が始まったらしい。 わたしは巻煙草を喫みながら、椅子....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
、「お味方に参った九州の兵だ」と言って易々と上陸し、塔の岡の坂下に陣して、本軍の鬨の声のあがるのを待っていた。 即ち毛利の第一軍は、地御前より厳島を迂廻し、東....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
し、某一人引退くわけにゆかない、と答えて退こうとしない。兎角するうちに盛政の軍は鬨の声を挙げて押し寄せた。瀬兵衛もとより武功の士だから、僅か三尺|計りの土手を楯....
島原の乱」より 著者:菊池寛
、有馬勢はその中間に、立花勢は松倉勢の後方近く夫々に布陣した。十二月十九日寄手|鬨の声を揚げると城中からも同じく声を合せて、少しも周章た気色も見えない。重昌、貞....
真田幸村」より 著者:菊池寛
五月五日、この日、道明寺玉手表には、既に戦始り、幸村の陣取った太子へも、その鬨の声、筒音など響かせた。 朝、幸村の物見の者、馳帰って、旗三四十本、人衆二三....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
つ、という真最中。俺も森を畑へ駈出して慥か二三発も撃たかと思う頃、忽ちワッという鬨の声が一段高く聞えて、皆一斉に走出す、皆走出す中で、俺はソノ……旧の処に居る。....
○○獣」より 著者:海野十三
敬二は始めて合点がいったという顔をした。 そのとき、大勢の群衆がうわーっと鬨の声をあげた。 「騒ぐな騒ぐな」 と、蟹寺博士は群衆を一生懸命に制しているが....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
をつかんで、鉄板の上に倒れた。 「あ、仲間を殺したな。それ」 残りの印度人は、鬨の声をあげて、うわーっととびだしてくる。 だーん、だーん。 フランク大尉は....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
る。他の店の黄色或いは丹色の日覆いも旗の色と共に眼に効果を現わして来た。包囲した鬨の声のような喧騒に混って音楽の音が八方から伝わる。 新吉は向う側の装身具店の....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
入れて、かくまってやりました。すると間もなく、「うおっうおっ。」というやかましい鬨の声を上げて、何十|人とない侍が、森の中から駆け出して来ました。そしていきなり....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うの恋人を横取りされたことを覚ったかも知れないが、今となっては恨みを呑んでその勝鬨の声を聞くのほかはなかった。そのうちに結婚の日は眼のまえに迫って来るので、一種....
倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
ある。花火の音がそこらでぽんぽんきこえると、その度毎に大勢の人が空を仰いでわっと鬨の声をあげる。玩具の喇叭を吹く者がある。汽笛のような笛を吹く者がある。しかもそ....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
うの恋人を横取りされたことを覚ったかも知れないが、今となっては恨みを呑んでその勝鬨の声を聞くのほかはなかった。そのうちに結婚の日は眼のまえに迫って来るので、一種....
二階から」より 著者:岡本綺堂
と大きく書かれた番茶茶碗は、これらの人々の前に置かれた。調練場の方ではどッという鬨の声が揚った。ほうろく調練が始まったらしい。 私は巻煙草を喫みながら、椅子に....