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鬱症
「鬱症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬱症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
前で、つやつやした吾れと吾が腕をぎゅっとつねってみる光枝だった。 彼女の急性悒
鬱症については、彼女の属する星野私立探偵所内でも、敏感な一同の話題にのぼらないわ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
さんどういうご病気なの」 というと、小店員はちょっと頭を掻いたが、 「まあ、気
鬱症とか申すのだそうでございましょうかな。滅多にございませんが、一旦そうおなりに....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
そりゃいい匂いで気が散じるから。」母は話さなかったが、恐らく母が娘時代に罹った気
鬱症には、これ等が利いたのであろう。 色、聞、香、味、触の五感覚の中で、母は意....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
また、こういう境遇の婦人にしばしば見るような、始終なにかぶつぶつ言っているような
鬱症におちいったということもかつて聞かず、夫の蛮的行為のまっ最中でも常に快活であ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いように思われる。私はこの事件の直後、拭い去ろうとしても拭い去ることの出来ない憂
鬱症のために、逐われるようにしてこのX市を立ち去った。それでもなお一、二ヵ月は気....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
これは森の墓場へきたという本能だけではなく、先天的にゴリラというやつは体質性の憂
鬱症なのである。つまり、「|沈鬱になり易い異常的傾向」がある。ああ、また鉛筆の芯....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
応急の処置をとるが、気の鬱していることは自分の鈍感から気づかずにいると終いには気
鬱症という陰気な病いが起こる。ジメジメとしたヒステリーはまったく見ていて気の毒で....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
その人であった。少なくとも私には――そのときの私の周囲の事情にあっては――この憂
鬱症患者が彼の画布《カンヴァス》の上にあらわそうとした純粋な抽象的観念からは、あ....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
て遮切ると、千之介を庇うように言った。 「何でも厶りませぬ。仔細は厶りませぬ。気
鬱症にでもとり憑かれましたか、月を見ると――、そうで厶ります。馬鹿な奴めが、月を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のこと)と二人で憎まれ役でさ。お師匠さまにはあの隠宅もありますし、これがただの気
鬱症か何かなら、だれもあんな暗いところへお師匠さまを入れたかありません。お寺へ火....
「さようなら」より 著者:田中英光
いにみえ、更に狐憑《きつねつき》じみたその顔の表情は誰がみても狂人、被害妄想的抑
鬱症患者としか思えなかった。岡田は片端から兵器を棄てることで全身で戦争を拒絶した....
「金狼」より 著者:久生十蘭
生来|羸弱《るいじゃく》な、無意志な人物だった。母は美しいひとだったが、劇しい憂
鬱症《ヒポコンデリー》で、葵のものごころがついた頃には、もう、ひとり離れた数寄屋....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
、その朝、満寿子さんは臆病者どものやりかたをはじめからしまいまで見ていてひどい憂
鬱症にかかり、日本を逃げだしてあたしたちのいるパリへやってきた。その後、南京へ行....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
免れ、暫く謹慎して大門を潜らずにいた。その隙に司を田舎大尽が受け出した。栄次郎は
鬱症になった。忠兵衛は心弱くも、人に栄次郎を吉原へ連れて往かせた。この時司の禿で....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
リヤル》か、月経性《メンスツリアル》かどちらかわかりませんが、とにかく生理的の憂
鬱症《デブレッション》から来る一種の発作的精神異常者なのです。あの女が一身上の不....