鬱結[語句情報] » 鬱結

「鬱結〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬱結の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
すい旅だった。ふだん以上に食欲さえ増していた。神経に強い刺激が与えられて、とかく鬱結《うっけつ》しやすかった血液も濃く重たいなりにもなめらかに血管の中を循環し、....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
隈一面の青蘆の洲はところどころ弱々しく戦いている。ほんの局部的な風である。大たい鬱結した暑気の天地だ。荒川放水路が北方から東南へ向けまず二筋になり、葛西川橋の下....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
こり》笑われて見ると……淡雪《あわゆき》の日の眼に逢《あ》ッて解けるが如く、胸の鬱結《むすぼれ》も解けてムシャクシャも消え消えになり、今までの我を怪しむばかり、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うところは、ある一定の発源地とか、対象とかいうものが存しているのではなく、民心の鬱結がおのずから相当の殺気というものを孕《はら》んで、禍機が不可思議の辺に潜んで....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
行く。きっと逃げているのだ……ああ、行ってしまった!」 彼はこの最後の一句を、鬱結せる苦痛のつぶやきをもって発したのである。 これはおそらく永久にわたしの記....
」より 著者:森鴎外
さ」が、再びはっきりした輪廓、強い色彩をして、お玉の心の目に現われた。お玉が胸に鬱結している物の本体は、強いて条理を立てて見れば先ずこんな物ででもあろうか。 ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
移さずには、たえられない。 今、弦之丞が、優しい言葉で聞いてくれたのを幸いに、鬱結していた血の塊りを吐くように、この一年、思いつめていた心のたけを、とぎれとぎ....