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鬻ぐ
「鬻ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬻ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
どう見たか。 侍女一 近頃は、かんてらの灯の露店に、紅宝玉、緑宝玉と申して、貝を
鬻ぐと承ります。 公子 お前たちの化粧の泡が、波に流れて渚に散った、あの貝が宝石....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
った。 宮の入口に、新しい石の鳥居の前に立った、白い幟の下に店を出して、そこに
鬻ぐは何等のものぞ。 河豚の皮の水鉄砲。 蘆の軸に、黒斑の皮を小袋に巻いたの....
「露肆」より 著者:泉鏡花
。 茶めし餡掛、一品料理、一番高い中空の赤行燈は、牛鍋の看板で、一山三銭二銭に
鬻ぐ。蜜柑、林檎の水菓子屋が負けじと立てた高張も、人の目に着く手術であろう。 ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
く水草を逐うて移徙し、男は狩猟を主として傍ら各種の遊芸に従事し、女は美粧して婬を
鬻ぐを業としていたらしい。しかるに鎌倉時代塵袋の頃になっては、その遊芸の方は分業....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
うような技芸を演じて、人の耳目を楽しましめる。またその婦女は、粉粧をこらして淫を
鬻ぐ。田も作らねば蚕も飼わず、国司の支配をも受けず、少しの課役をも負担せぬという....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
れを「うかれめ」と読ましております。耕作をせぬ女が生活して行く為には、自然と婬を
鬻ぐことになるのは、やむをえなかった事でありましょう。すなわち浮かれ人や浮かれ女....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ができません。そこで気の利いたものは、遊芸を演じて米銭を貰う、あるいは婦人は婬を
鬻ぐ、この輩が遊芸者や遊女などになるのです。遊芸者もまたもとは乞食の一種として、....
「申訳」より 著者:永井荷風
RINTEMPS を以て嚆矢《こうし》となすが故である。当時都下に洋酒と洋食とを
鬻ぐ店舗はいくらもあった。又カウンターに倚《よ》りかかって火酒を立飲する亜米利加....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ものがあって、見ただけでも使いたい心をそそります。 私はここで老舗鳩居堂などが
鬻ぐ香墨などのことも言い添えるべきでありましょう。筆、紙、硯、墨を文房の四友とい....