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鬼の子
「鬼の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬼の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
わした。犬はただ一噛《ひとか》みに鬼の若者を噛み殺した。雉も鋭い嘴《くちばし》に
鬼の子供を突き殺した。猿も――猿は我々人間と親類同志の間がらだけに、鬼の娘を絞殺....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
にいった言葉の意味と違った感慨をもって同じ言葉を二度云った。 「なにしろ、芸術餓
鬼の子だからね」 するとかの女はからからと笑った。 芸術餓鬼といわれて、怒り....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
人間のたより無さ、生れ落ちたこの山奥が自分たちの親代々の故郷とのんきに合点して、
鬼の子らしく荒々しく山坂を駈け廻って遊び、その遊びもままごとなどでは無く、ひとり....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
外套の素晴らしい美しい女が店へ入って来る。主人、番頭、サーシャ「三人が三人とも、
鬼の子みたいに店を駆け廻り」あたりのものが燃え出したかと思うような亢奮の後、高価....
「鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
。それとも先祖が鬼だったのか。」 とたずねました。 「そうです。わたくしどもは
鬼の子孫です。」 「鬼ガ島なら、宝があるだろう。」 「むかしほんとうの鬼だった時....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
酒の量を減らしおることになるだけだから、ちょうど本山へおもむく用があったを幸い、
鬼の子を連れて行って京都の寺へ捨ててきてやった」 加十はその京都の寺に足かけ二....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
そしてそれが里人に交わり、普通の日本民族と差別なきものとなった後までも、時に自ら
鬼の子孫たる事を認め、或いは他より鬼筋と呼ばれ、或いは狐持、護法胤などと称せられ....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
ったのであった。今も大峯山中には、一寸前編に云った様に、この時行者に使役せられた
鬼の子孫だと称するものが住んでいる。 地主神とは多くの寺に附き物で、ことに山間....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
人の肉を喰った国人であって、今の人民もその子孫であるということですが、成程羅苦叉
鬼の子孫たるに愧じないところの人類であると思って実に驚いたです。
葬式が....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
地を作っている中をのぞいて、愕然とした。 案のじょう、そこに突っ立っていたのは
鬼の子のように、血まみれになっている城太郎であった。 木剣を提げ、歯を食いしば....
「山の人生」より 著者:柳田国男
さえ伝えられるのである。 「日本はおろかなる風俗ありて、歯の生えたる子を生みて、
鬼の子と謂ひて殺しぬ」と、『徒然慰草』の巻三には記してある。江戸時代初め頃の人の....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
という位の意味であったでありましょう。大和大峰山中、一番奥にある前鬼村の人々は、
鬼の子孫だと云われていまして、紀伊粉河の北の中津川にも、その子孫と称する者が五家....