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「鬼女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
くせぬほどある。生きた男を捕らえて釜うでにする。姙《はら》み女の腹を割《さ》く。鬼女とも悪魔とも譬えようもない極悪《ごくあく》非道の罪業《ざいごう》をかさねて、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りまで、まるで仮面《めん》でもかぶったような一面の青黒い痣《あざ》で、絵にかいた鬼女とでも云いそうな人相でしたから、わたくしは気が遠くなる程にびっくりして、あわ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
したが、お角は真っ蒼な顔をして、眼は血走って、髪をふり乱して、まるで、絵にかいた鬼女《きじょ》のような顔をして、黙ってはいって来たかと思うと、だしぬけに台所へか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た」と、老女は案外におとなしく答えた。 信州といえば、戸隠山《とがくしやま》の鬼女を想像させるが、彼女はそのやつれた顔に一種の気品を具えていた。その物云いや行....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るまいか。こういう風に二つの事件をむすび付けて解釈すると、かれは一種のおそろしい鬼女であるかも知れない。鬼婆で名高い浅茅ヶ原に近いだけに、鬼娘の噂がそれからそれ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
焚きながら、睦まじそうに話している。それを見ると、お絹は嚇とのぼせて、悪女が更に鬼女のようになって、そこの台所にあり合わせた出刃庖丁をとって、孤芳を殺そうとして....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みの籠った手紙を、お直が不用意に取り落したと聞いて、お紋はむやみに怒った。一種の鬼女になっているような彼女は、噛みつくようにお直に食ってかかって、こんなことでは....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ストンの首……かつて恋しかった女どもの首々……おやじの首……憎い友人どもの首……鬼女や滝夜叉の首……こんな物が順ぐりに、あお向けに寝て覚めている室の周囲の鴨居の....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
い当ったように嘆息した。 「まったくあの女は唯物ではござらなんだ。あれが世にいう鬼女でござろう。」 それから十日ほど経つと、庄兵衛は牢役人にむかって、早くお仕....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、絵で見るじゃありませんか。」 「あそうか、清麗|楚々とした、あの娘が、引抜くと鬼女になる。」 「戻橋だな、扇折の早百合とくるか、凄いぞ、さては曲者だ。」 と....
縁結び」より 著者:泉鏡花
た。 雨の滴々しとしとと屋根を打って、森の暗さが廂を通し、翠が黒く染込む絵の、鬼女が投げたる被を背にかけ、わずかに烏帽子の頭を払って、太刀に手をかけ、腹巻した....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
。 「まあ、待て。どこへ行く。」 源兵衛はおどろいて引留めようとすると、お兼は鬼女のように哮って、自分の夫に打ってかかった。 「この黒ん坊め。」 大きい斧を....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
の店にはかの磯貝という紳士が腰をかけて、何か笑いながら話している。お冬さんの顔は鬼女のごとく、幽霊のごとく、たとえん方もなく物凄し。宿に帰れば宇都宮の田島さんよ....
多神教」より 著者:泉鏡花
、がまだ人間の婦の面じゃ。あからさまに、邪慳、陰悪の相を顕わす、それ、その般若、鬼女の面を被せろ。おお、その通り。鏡も胸に、な、それそれ、藁人形、片手に鉄槌。―....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
等負傷の痕も無く、其顔は依然として安らかに眠っていた。が、お杉の瞋れる顔は宛然の鬼女であった。加之も高い所から再三転げ落ちて、剣の如き岩石に撃れ劈かれたので、古....