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「鬼子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、若い女中が奥の小座敷へ案内した。 「おかみさんはいるかえ」 「おかみさんは鬼子母神《きしもじん》さまへお詣りに行きました」 それでは御亭主を呼んでくれと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らなそうな顔をしていた。 「だが、まあいいや、久し振りでこっちへ登って来たから、鬼子母神様へ御参詣をして、茗荷屋で昼飯でも食おうじゃねえか」 二人は田圃路を行....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の中から、硫黄が丘の山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早く....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
す表情の中、見る人を不快にさせる悒鬱な表情は、実に憎みによって奪い取って来た愛の鬼子が、彼の衷にあって彼を刺戟するのに因るのではないか。私はよくこの苦々しい悒鬱....
自叙伝」より 著者:大杉栄
僕もあわてて家の方へ走った。そして二、三町行った頃に、今までそのそばで見ていた鬼子母神という寺に火のついたのを見た。茅ぶきの大きな屋根だ。それがその屋根一ぱい....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うして震災の火に焼かれてしまった。その後わたしは目白に一旦立ち退いて、雑司ヶ谷の鬼子母神附近の湯屋にゆくことになった。震災後どこの湯屋も一週間ないし十日間休業し....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
え失せた。 公は果たして後に少保の高官に立身したのであった。(同上) 張鬼子 洪州の州学正を勤めている張という男は、元来|刻薄の生まれ付きである上に、....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
詣した、中山の法華経寺か、かねて御守護の雑司ヶ|谷か、真紅な柘榴が輝いて燃えて、鬼子母神の御影が見えたでしゅで、蛸遁げで、岩を吸い、吸い、色を変じて磯へ上った。....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
が、舞などしたまう状に、たとえば踊りながらでんでん太鼓で、児をおあやしのような、鬼子母神の像があった。御面は天女に斉しい。彩色はない。八寸ばかりのほのぐらい、が....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、ちょっと眉を顰めた。乳の下を且つ蔽う袖。 「一度、二十許りの親類の娘を連れて、鬼子母神へ参詣をした事がありますがね、桐の花が窓へ散る、しんとした御堂の燈明で視....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
―糸塚さん、糸巻塚ともいうんですって。 この谷を一つ隔てた、向うの山の中途に、鬼子母神様のお寺がありましょう。」 「ああ、柘榴寺――真成寺。」 「ちょっとごめ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
小流の畝々と、次第|高に、何ヶ寺も皆日蓮宗の寺が続いて、天満宮、清正公、弁財天、鬼子母神、七面大明神、妙見宮、寺々に祭った神仏を、日課のごとく巡礼した。 「……....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
一献進ぜました。……いや思出せば、なおその昔、伜が腹に居ります頃、女房と二人で、鬼子母神様へ参詣をするのに、ここを通ると、供えものの、石榴を、私が包から転がして....
叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
大正元年の秋、英一がまだ十歳なりける時、大西一外君に誘われて我と共に雑司ヶ|谷の鬼子母神に詣でしことあり。その帰途、柳下孤村君の家を訪いしに、孤村君は英一のため....
」より 著者:岡本かの子
は、は、は。 二 欅の並木の間に葭簾で囲った茶店一軒。 遠見に鬼子母神の社殿見ゆ。 ――冬の月、骨身に沁みて美しいが、生憎と茶屋は締ってしまっ....