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鬼灯
「鬼灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬼灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
すいあい》にぼやけた中には、目まぐるしく行き交う提灯《ちょうちん》ばかりが、もう
鬼灯《ほおづき》ほどの小ささに点々と赤く動いていました。三浦『どうだ、この景色は....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
二二 川開き やはりこの二州楼の桟敷に川開きを見ていた時である。大川はもちろん
鬼灯提灯を吊った無数の船に埋まっていた。するとその大川の上にどっと何かの雪崩れる....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
大層に云わんでも宜い、土地の外聞なんて、亭主は余程|好事家のようだな」 番「えゝ
鬼灯などは植えんように致してございます」 數「うふゝゝ
鬼灯じゃアない、風流人と申....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
のごとく、自由に開く、この婦やや年かさ。鼈甲の突通し、御殿奥女中のこしらえ。 薄
鬼灯さん、蜻蛉さん。 女童一 ああい。 薄 静になさいよ、お掃除が済んだばかりだ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
です。この店は馬喰町四丁目でしたが、後には小伝馬町へ引移して、飾提灯即ち盆提灯や
鬼灯提燈を造った。秩父屋と共に、凧の大問屋は厩橋の、これもやはり馬喰町三丁目にい....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
前だがね、ついこないだもこの手を食ったよ、料簡が悪いのさ。何、上方筋の唐辛子だ、
鬼灯の皮が精々だろう。利くものか、と高を括って、お銭は要らない薬味なり、どしこと....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、はたはたと煽いで呼ばるる。……毎年顔も店も馴染の連中、場末から出る際商人。丹波
鬼灯、海酸漿は手水鉢の傍、大きな百日紅の樹の下に風船屋などと、よき所に陣を敷いた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
履《ふくぞうり》と、九尺おきに提《さ》げたお小人《こびと》の箱提灯が両側五六十、
鬼灯《ほおずき》を棒へさしたように、一寸一分の上《あが》り下《さが》りもなく、粛....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、ただいま、」といいながら帯をぎゅうと取出した。 小菊の中の紅は、買って帰った
鬼灯ならぬ緋塩瀬の紙入で。 可愛き銀貨を定めの賃。 「御苦労様。」 「お持ちな....
「熊手と提灯」より 著者:正岡子規
突すると前からいうて居たその夜であったから箒星とも見えたのであろうが、善く見れば
鬼灯《ほおずき》提灯が夥《おびただ》しくかたまって高くさしあげられて居るのだ。そ....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
》せ行く麹町《こうじまち》の大通りには、松竹《まつたけ》の注目飾《しめかざ》り、
鬼灯提灯《ほおずきちょうちん》、引幕《ひきまく》、高張《たかはり》、幟《のぼり》....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
んに、黒髪を重そうにして、仰向けに、倒れた。――蝋より白い死の顔は――その唇は、
鬼灯をつぶしたような血の塊を含んでいた。 「しまった……し、しまった……」 重....
「童子」より 著者:室生犀星
対い、恐ろしいほど凝視するような気もちだった。 「こんど又できるんだ。こまった。
鬼灯の根でも飲まそうかと思うんだ。」 「よせ、そんなことは!」 「でもおれは子供....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
り湯もない。歪形のペシャンコの亜鉛の洗面器が一つ放ったらかしで、豆電灯が半熟れの
鬼灯そのまま、それも黄色い線だけがWに明ってるだけだから驚いた。それにしても店の....