鬼瓦[語句情報] » 鬼瓦

「鬼瓦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼瓦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
、 「憎らしい」 といった。そこで渡瀬はおかしくなってきて、片眼をかがやかして鬼瓦《おにがわら》のような顔をして笑った。笑う時にはなお鬼瓦に似てくるのを渡瀬は....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
こ》だ。金があつても買わないんだと、その時は追っ払《ぱら》っちまった。その次には鬼瓦《おにがわら》ぐらいな大硯《おおすずり》を担ぎ込んだ。これは端渓《たんけい》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人夫婦は最初不承知であったらしいんですが、もし本当の疱瘡をすれば、玉のような顔が鬼瓦のように化けるかも知れない。それを思うと、あくまでも反対するわけにも行かない....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
れをケレンコの顔にさしむけた。 ケレンコは、不意にまぶしい電灯をさしつけられて鬼瓦のような顔をしておこった。 「こら、何をする。無礼者めが」 なにか意味あり....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
いては、新蕎麦の御祝儀に、爺が貴女に御伽を話す。……われら覚えました狂言の中に、鬼瓦と申すがあっての、至極初心なものなれども、これがなかなかの習事じゃ。――まず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よく見直すと、左右に門番があって、屋根は銅葺《どうぶき》の破風造《はふづく》り、鬼瓦《おにがわら》の代りに撞木《しゅもく》のようなものが置いてあります。 土塀....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
してね、門は黒塗りの立派なものでございます、屋根は銅葺の破風作《はふづく》りで、鬼瓦の代りに撞木《しゅもく》のようなものが置いてございます、正面三カ所に轡《くつ....
天狗笑」より 著者:豊島与志雄
す。二十人いたものが、一人ぬかされ二人ぬかされして、しまいには、一番強いので、「鬼瓦《おにがわら》」とみんなからあだなされている子供と、見馴れない子供との、二人....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
びかかって、いつまでも終りがないので、五人の親分というのが留めにきてくれた。翌日鬼瓦のように青黒くはれた顔をしているところへ、中原中也が遊びにきて、手を打って喜....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ん。アハハ。あの人は、めぐりあわせまで皮肉に回転するらしいや。しかし、ひどいぜ。鬼瓦みたいな顔さ。喋るのも不自由なのさ。見舞いに行って、気の毒したよ」 「どんな....
文学のふるさと」より 著者:坂口安吾
ひとつですが、大名が太郎冠者を供につれて寺|詣でを致します。突然大名が寺の屋根の鬼瓦を見て泣きだしてしまうので、太郎冠者がその次第を訊ねますと、あの鬼瓦はいかに....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
寺主計は、一番平然としていた。何事もなかったように、ちょいちょいお高を見て、その鬼瓦《おにがわら》のような顔をしきりにほほえませていた。 おせい様は、お駒とい....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
かな 蚊柱の物狂ふなり伏見城 京伏見経机ありあはれなり 辻斬の細きもとでや念仏僧鬼瓦長し短し具足櫃 忍術の袈裟かぶり行くほととぎす こんな名吟が続出した。 ....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
子たちは人の好さそうなポカンとした顔つきをしていて、むしろいじめられる養母の方が鬼瓦のようなきりょうの年増であったが。 車の蔭に古簾が見え出して角の中に琴とい....
日和下駄」より 著者:永井荷風
こうがと》をつくることがある。私は寺の屋根を眺めるほど愉快なことはない。怪異なる鬼瓦《おにがわら》を起点として奔流の如く傾斜する寺院の瓦屋根はこれを下から打仰《....