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鬼界ヶ島
「鬼界ヶ島〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬼界ヶ島の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
のほかの御立腹で、泰親はいうに及ばず、祈祷の壇にのぼった者は、一人も残さずに遠い
鬼界ヶ島《きかいがしま》へ流せと仰せられたを、わたしが縋ってなだめ申したは、お前....
「俊寛」より 著者:菊池寛
慨に夜を徹することが多かった。が、一月、二月経つうちに、そうした悲憤慷慨が、結局
鬼界ヶ島の荒磯に打ち寄する波と同じに、無意味な繰り返しに過ぎないことに気がつくと....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
よいよ朔風が強く吹きつけ、眼をあいていられないくらいの猛吹雪になっても、金内は、
鬼界ヶ島の流人俊寛みたいに浪打際を足ずりしてうろつき廻り、夜がふけても村へは帰ら....
「獄中記」より 著者:大杉栄
ともある。決心したこともある。出たらゆっくり諸君と語ろう。同志諸君によろしく。」
鬼界ヶ島の俊寛 出て一カ月半ばかりして、こんどは堺や山川やその他三人の仲間と一....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
生の力の強靭さというようなものをその原形において押し出している。風変りな俊寛は、
鬼界ヶ島で鬼と化した謡曲文学の観念を吹きはらって、勇壮に鰤《ぶり》釣りを行い、耕....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
の舎門下の二才媛とうたわれた一人の花圃は二十五年の秋に三宅雪嶺と結婚した。「近日
鬼界ヶ島へわたるから」と花圃は諧謔的に云っているけれど、桃水との交際も断った一葉....
「“慰みの文学”」より 著者:宮本百合子
ていない。すべての物語が鬼気せまるように書かれていた。けれども菊池寛の「俊寛」は
鬼界ヶ島で坊主の衣をぬいだらスッカリ丈夫になって土地の女を女房にして子供も何人か....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ていた。が、その衣裳は形のないまでに、千切れ破れているのである。 物の書で見た
鬼界ヶ島の俊寛! それさながらの人間が、そこに群れているのである。 「駄目だよ、....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
「気」である。兇事を喜び司る、一種の気である。「鬼門」とか、「鬼気」とか、または
鬼界ヶ島とか皆その感じがある。 私のみた夢に、鬼をへんに生々しくみた事がある。....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ぐさめに近い同悲の情を呼び起こしました。ヨブなどの運命を思いました。私はあたかも
鬼界ヶ島に流された俊寛をドラマに描こうと思っていたので、ことにおもしろく読みまし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
終身預けに。 いちばんの重罪は、文観僧正で、これは、平家のむかし俊寛がやられた
鬼界ヶ島――つまり硫黄島流しときまった。 もっとも、この僧正の憎まれ方は一ト通....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かいて惑うているのは、みぐるしいぞ。はははは、そんなにここが恐いなら、そち一人で
鬼界ヶ島へでも何処へでも落ちて行け」 「…………」 円喜は黙った。赤面して、う....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、事実、大原御幸の翌年九月には、天野遠景や藤原信房を大将とした鎌倉勢が、九州から
鬼界ヶ島へ残党討伐に派遣されたりしているのである。平家は亡んだが平家はまだ生きて....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、とても荒まじいであろうところの辺土である。 これが日露国境の安別かと思うと、
鬼界ヶ島にでもまざまざと流されて来た感じである。 いや、それでもまだ平らかな丘....