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「鬼神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼神の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
駈けて来ました。 「これは噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最後、どんな恐しい鬼神《おにがみ》でも、きっと一噛《ひとか》みに噛み殺されてしまう。ただ、己《おれ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が、洛中洛外の大評判になりますと、若殿様は私《わたくし》に御向いになりまして、「鬼神《きじん》が鬼神に遇うたのじゃ。父上の御身《おみ》に害がなかったのは、不思議....
金将軍」より 著者:芥川竜之介
なさりとうございまする。」 宣祖王は悲しそうに微笑した。 「倭将《わしょう》は鬼神《きじん》よりも強いと云うことじゃ。もしそちに打てるものなら、まず倭将の首を....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
中に入ったのです。昔は煙客翁がいくら苦心をしても、この図を再び看《み》ることは、鬼神《きじん》が悪《にく》むのかと思うくらい、ことごとく失敗に終りました。が、今....
天守物語」より 著者:泉鏡花
重の、その壇、その階子を、鼠のごとく、上りつ下りついたしおる。……かねての風説、鬼神より、魔よりも、ここを恐しと存じておるゆえ、いささか躊躇はいたしますが、既に....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
その旅館――桂井の二階の欄干が、あたかも大船の甲板のように、浮いている。 が、鬼神の瞳に引寄せられて、社の境内なる足許に、切立の石段は、疾くその舷に昇る梯子か....
古狢」より 著者:泉鏡花
伝うぐらいなものであろう。 待て、それとても不気味でない事はない。 魔は――鬼神は――あると見える。 附言。 今年、四月八日、灌仏会に、お向うの遠藤さん....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、開けてはなんねえちゅうに、」 「だって、あれ、あれ、助けてくれ、と云うものを。鬼神に横道なし、と云う、情に抵抗う刃はない筈、」 枢をかたかた、ぐっと、さるを....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
当だ。さて宗山とか云う盲人、己が不束なを知って屈死した心、かくのごときは芸の上の鬼神なれば、自分は、葬式の送迎、墓に謡を手向きょう、と人々と約束して、私はその場....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
見るやらん。尻尾を案じた後姿、振返り、見返る処の、科、趣。八幡、これに極った、と鬼神が教を給うた存念。且つはまた、老人が、工夫、辛労、日頃の思が、影となって顕れ....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
る超自然力のあることを信ずる。これを強いて一|纏めに命名すると、一を観音力、他を鬼神力とでも呼ぼうか、共に人間はこれに対して到底不可抗力のものである。 鬼神力....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
あなたの目に曝すんですもの、形も態もありはしません。文学少女とかいうものだって、鬼神に横道なしですよ。自分で卑下する心から、気がひがんで、あなたの顔が憎らしかっ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
する。これはあえて人を軽蔑するのでもなく、また自ら尊大にするのでもない。加茂川は鬼神の心をも和ぐるという歌人であるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しい....
式部小路」より 著者:泉鏡花
わ。 おばさん、良いでしょう。」 と火鉢に手をかけ、斜めに見上げた顔を一目。鬼神なりとて否むべきか。 「可うございますとも、行って取って参りましょう。ついで....
活人形」より 著者:泉鏡花
の台が危ないぞ。と警戒れば、八蔵は高慢なる顔色にて、「たかが生ッ白い痩せた野郎、鬼神ではあるめえ。一思いに捻り潰してくりょう。と力瘤を叩けば、得三は夥度頭を振り....