鬼窟[語句情報] »
鬼窟
「鬼窟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鬼窟の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
るから、おどかされるんだ」と今度は主人が酷評を加えると、
「好漢《こうかん》この
鬼窟裏《きくつり》に向って生計を営む。惜しい事だ」と独仙君は嘆息した。すべて独仙....
「野分」より 著者:夏目漱石
ある。この便法を証得《しょうとく》し得ざる時、英霊の俊児《しゅんじ》、またついに
鬼窟裏《きくつり》に堕在《だざい》して彼のいわゆる芸妓紳士通人と得失を較《こう》....
「家霊」より 著者:岡本かの子
いる。そして自分は一人娘である以上、いずれは平凡な婿《むこ》を取って、一生この餓
鬼窟の女番人にならなければなるまい。それを忠実に勤めて来た母親の、家職のためにあ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
さゞめく声は天鼓を撃つ如く、七蔵がゆがみたる耳を貫けば是も我慢の角を落して黒山の
鬼窟を出、発心勇ましく田原と共に左右の御前立となりぬ。 其後光輪美しく白雲に駕....
「連環記」より 著者:幸田露伴
頃を、何か分らぬ時を過した。もう然様いう境界を透過した者から云わせれば、所謂黒山
鬼窟裏の活計を為て居たのであった。そこへ従僕が突として現われて、手に何か知らぬ薄....