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「鬼籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鬼籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幸運の黒子」より 著者:海野十三
た》たないのに、 「ななな、何が幸運の黒子だ!」 と呻《うな》りながら、半平は鬼籍に入ってしまったのだった。哀れな半平だった。 話はこれでおしまいである。 ....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
ても、僕はこの上海から一歩も外に出ないうちに、銃丸《じゅうがん》を喰《く》らって鬼籍《きせき》に入らねばならない。 「おい井東《いとう》」と同志林田が、天井裏か....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
いと、アトで張合がないだろうと思って、お負のつもりで書く訳だが、何を隠そう、その鬼籍に入った美少女とピンピン生きている美少年とが、現実に接吻、抱擁する事に依て、....
火葬国風景」より 著者:海野十三
!」 「ふふン」と八十助は呻った。 「つまり自分の死亡届けを出して置いて、自分は鬼籍に入る。そうなれば、この世でのいろいろの厭なきずなを断つことが出来る。もう借....
露の答」より 著者:坂口安吾
の野心もなく悠々新夫人との生活を愛したのですが、新夫人は幸薄く、五郎兵衛に先じて鬼籍の人となった。わすれがたみが一人、女児で、折葉という。五郎兵衛は折葉を愛する....
竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
を、廿三歳の豊麗な彼女が迎えた。養母の鶴勝はその悦びを共にすることを得ず、もはや鬼籍《きせき》にはいっていた。二人の心は一日も早くと焦燥《あせ》りはしたが、席亭....
丸の内」より 著者:高浜虚子
消えて沢村宗之助の女房になっていることも知った。そうしてその宗之助や栄三郎が早く鬼籍に入った事も知った。その宗之助と徳子の間に出来た新しい宗之助の子方もはや屡々....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
常吉の又聞き話。三吉が捕方に向う六時も前、午過ぎの九つ半に、富五郎は卒中ですでに鬼籍《きせき》に入っていたのだとのこと。その十畳には死人の首途《かどで》が早や万....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に入った木村|鐙子夫人や中島湘烟夫人は皆当時に崛起した。国木田独歩を恋に泣か....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
出来んそうで。 医「先ず是はどうも極難症で、脱疽に相違ない、至極の難症にして多く鬼籍に入るを免れずと医書に有る、鬼籍というのは過去帳のことで、仏さまの過去帳につ....
三国志」より 著者:吉川英治
操。今日、生きて汝を殺すあたわずとも、死して鬼となり、かならず数年のうちに、汝を鬼籍に招いてやるぞ。待っておれっ」 と、罵ってやまなかったという。 同志の韋....