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魄
「魄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
という意味である。時好に投ずることのみを目的としている作者は別として、少しでも気
魄《きはく》のある作者なら、この危険には存外おちいりやすい。だから馬琴は、この年....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
上
夜、盛遠《もりとお》が築土《ついじ》の外で、月
魄《つきしろ》を眺めながら、落葉《おちば》を踏んで物思いに耽っている。
....
「或る女」より 著者:有島武郎
、その顔はちょっと見忘れるくらい年がいっていた。そして服装からも、様子からも、落
魄《らくはく》というような一種の気分が漂っていた。木部の顔は仮面のように冷然とし....
「星座」より 著者:有島武郎
の惰眠《だみん》を貪《むさぼ》り雌伏《しふく》しおるべき時には候わず明治維新の気
魄は元老とともに老い候えば新進気鋭の徒を待って今後のことは甫《はじ》めてなすべき....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
答《いら》えなき内儀の項《うなじ》を、出刃にてぺたぺたと拍《たた》けり。内儀は魂
魄《たましい》も身に添わず、 「は、は、はい、はい、は、はい」 「さあ、早くして....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
にかの地に行くというような、いわば天下を家として随所に青山あるを信ずる北海人の気
魄《きはく》を、双手《もろて》を挙げて讃美する者である。自由と活動と、この二つさ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、これだけは脚より太い、しっかりした、竹の杖を支いたが、さまで容子の賤しくない落
魄らしい、五十|近の男の……肺病とは一目で分る……襟垢がぴかぴかした、閉糸の断れ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
歴史的動向を示すものである。かくして政治はますます道義的宗教的色彩を濃厚にし、氣
魄ある人々の奉仕によつて行わるべきものとなりつつある。 私は日蓮聖人の信者であ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
だか、皆目分らんでございます。貸して、かたに取ったか、出して買うようにしたか。落
魄れた華族のお姫様じゃと言うのもあれば、分散した大所の娘御だと申すのもあります。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
つ紋で。――これは外套の頭巾ばかりを木菟に被って、藻抜けたか、辷落ちたか、その魂
魄のようなものを、片手にふらふらと提げている。渚に聞けば、竹の皮包だ――そうであ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。現代とても在来の経典を以て満足し、更に一歩を進めて真理の追窮に当ろうとする、気
魄のとぼしき者は多いであろう。それ等に対してわれ等は頓着せぬ。が、過去の示教に満....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
事を計画したると毫も異なるところなし。小栗は幕末に生れたりといえども、その精神気
魄純然たる当年の三河武士なり。徳川の存する限りは一日にてもその事うるところに忠な....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
た、心はどうじゃい。 それを考えれば酒も咽喉へは通らぬのを、いやそうでない。魂
魄この土に留まって、浄閑寺にお参詣をする私への礼心、無縁の信女達の総代に麹町の宝....
「活人形」より 著者:泉鏡花
て、「御覧なさい。人品が好くって、痩っこけて、心配のありそうな、身分のある人が落
魄たらしい、こういう顔色の男には、得て奇妙な履歴があるものです。と謂いつつ、手に....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ありますから、独立後の日本をどうするかという抱負経綸が示され、日本国民に独立の気
魄を吹き込み、民族として立ち上る気力を与えることが、その務めであるにもかかわらず....