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魅す
「魅す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魅すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
けれども、やっと取り纏めて、離れて眺めみれば、芙蓉のように美しく、「誰《た》」を
魅する力があるもののようでもある。それにつれて、希望《のぞみ》という虹がうつらう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた。年も五十を越して、ふだんは物堅いように見えていた女房に、そんな恐ろしい魔が
魅すというのも、やはり死霊の祟りではあるまいかとも恐れられた。 お安という女の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
強い感情がみなぎったときに、かれらの眼のひかりは怖るべき魔力を以って初めて相手を
魅することが出来るのである。したがって、彼ら自身も故意にその魔力を応用することが....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
白は手巾を懸けなすった……目鼻も口も何にも無い、のっぺらぽう……え、百物語に魔が
魅すって聞いたが、こんな事を言うんですぜ。) ところが、そんなので無いのが、い....
「春昼」より 著者:泉鏡花
髪を絞るとかの、それに肖まして。 慕わせるより、懐しがらせるより、一目見た男を
魅する、力広大。少からず、地獄、極楽、娑婆も身に附絡うていそうな婦人、従うて、罪....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
して…… (今打つ鐘は、 七ツの鐘じゃ。) と云うのを合図に、 (そりゃ魔が
魅すぞ!) と哄と囃して、消えるように、残らず居なくなるのでござりますが。 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
見えるわ、簀の子の天井から落ち度い。)などと、膝栗毛の書抜きを遣らっしゃるで魔が
魅すのじゃ、屋台は古いわ、造りも広大。」 と丸木の床柱を下から見上げた。 「千....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
草寺観世音の仁王門、芝の三門など、あの真中を正面に切って通ると、怪異がある、魔が
魅すと、言伝える。偶然だけれども、信也氏の場合は、重ねていうが、ビルジングの中心....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ずんずん行けば何とする? すべてかかる事に手間|隙取って、とこうするのが魔が
魅すのである。――構わず行こう。 「何だ。」 谿間の百合の大輪がほのめくを、心....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
うに信者を集めたり、よく行たものでございますな」 「父は力を持っております。人を
魅する不思議な偉大な力を! で、信者達が集まって来まして、このような建物をまたた....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
類の卵のうちでは、鰍の卵が不味の骨頂であるかもしれぬ。そこで鰍の肉骨は舌の尖端を
魅するにも拘わらず、卵の味は鯰の卵に劣らぬほどである。似鯉の卵の味と好一対であろ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
向い、「談してお聞かせなさい、実に怪談が好物だ。「余り陰気な談をしますと是非魔が
魅すといいますから。と逡巡すれば、「馬鹿なことを、と笑われて、「それでは燈を点し....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
みならず、光彩と機智にあふれて、充分にそのセンスは社交性をはずれることなく、人を
魅する美しさを持っていた。彼女を、歴史上の最高の外交家に仕立てたのはこの精神的多....
「新童話論」より 著者:小川未明
。彼等の経験と知識とが調和して、その上に築かれた美しい空想の世界でなければ、真に
魅することはできないのであります。 すべての空想が、その華麗な花と咲くためには....
「かもめ」より 著者:神西清
うと、じつに幸福だ! (彼女は男の胸にもたれかかる)僕はまた見られるのだ――この
魅するような眼を、なんとも言えぬ美しい優しい微笑を……この柔和な顔だちを、天使の....