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魔の手
「魔の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魔の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
れである。老年ではあるが、弓矢のわざにも長《た》けている。殊に彼は最愛の孫娘を悪
魔の手に奪われている。それらの事情をかんがえて、殿上の議論も彼を選むことに一致し....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
こに移り住むことになったのです。 しかしそれからというものは松木家には不思議な
魔の手が伸びたらしく、母が死ぬ、父が続いて亡くなる、妹が死ぬといった風でした。父....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
時に出てきた。 二人はだいたい睨み合って、無言の業をつづけていたが、疲労から睡
魔の手へ、彼等はなにがなんだか分らないうちに横にたおれて前後不覚に睡ってしまった....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の地蔵の像で立ったけれども。 頭を垂れて嘆息した。 さればこの時の風采は、悪
魔の手に捕えられた、一体の善女を救うべく、ここに天降った菩薩に似ず、仙家の僕の誤....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
間であるが、その心情は、遥かに動物以下であった。それでも神は、最後に人類をこの悪
魔の手から救い出したではないか! これに比すれば、現代の堕落の如きは、まだまだ言....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
うこの日向ぼっこ連にはいったのか。十年の苦学をついに何等なすことなくして、肺病の
魔の手にささげてしまうのか。こんど出たら彼の指導の下におおいにソシオロジイの研究....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
に峰の尖ったような真白な杉の大木を見ました。 雪難之碑のある処―― 天狗――
魔の手など意識しましたのは、その樹のせいかも知れません。ただしこれに目標が出来た....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
こまで走らんとするか、昔人は云えり、地球の果は一大断崖にて船もしそこに至れば、悪
魔の手に引込まれて無限の奈落に陥込むべしと、今はそのような事を信ずる者はあらざれ....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
主の云ったのは確実で、忽ち細長い藻の先が足に搦んだ。それはぬらぬらと気味悪く、妖
魔の手でも有るかのように、水草にも血が通い、脈が打っているかと怪しまれる程。それ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
えになるほどに叫びつづけた。 この場合、かれは救いの神ほとけはいうもおろか、悪
魔の手にでも縋り付いて男の危急を救いたかった。異国の眇目の男――それがかれの胸に....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
霊だってどうするものか。行って覗いて見たまえ、というのに。」 あたかもそこへ、
魔の手が立樹を動かすように、のさのさと相撲の群が帰って来た。 「それ、力士連が来....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
録じみる――一眸の下に瞰下ろさるる、縦横に樹林で劃られた市街の一箇処が、あたかも
魔の手のあって、森の一束を蒼空へ引上げたような煙が濛々と揚って、流るる藍色の川を....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
くのである。彼は云い知れぬ一種の愉快を感じて、猶も雲の行方を睨んでいると、黒い悪
魔の手は漸次に拡がって、今や重太郎の頭の上を過ぎた。 彼は思わず跪ずいて、天を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
え漸次に遠くなりつ、前後も知らでいたりけるを、得三に見出されて、さてこそかくは悪
魔の手に斬殺されんとするものなれ。 普門品、大悲の誓願を祈念して、下枝は気息|....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
土地は手離さない決心だという。「なぜなら、わたしはフランシスの欲深な悪友どもや悪
魔の手先たちに、お金を使われたくないからです。そのお金であの人たちは、きっとばか....