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魔境
「魔境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魔境の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
神踞す「大聖氷」
わが折竹孫七の六年ぶりの帰朝は、そろそろ、
魔境、未踏地の材料も尽きかけて心細くなっていた私にとり、じつに天来の助け舟のよう....
「明暗」より 著者:夏目漱石
かった。彼は楊枝《ようじ》を使いながら障子《しょうじ》を開けた。そうして昨夜来の
魔境から今ようやく覚醒した人のような眼を放って、そこいらを見渡した。
彼の室の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、折竹の爆笑を夢の間のように聴きながら、しばしは茫然たる思い。 「ハハハハハ、
魔境やさんが、驚いてちゃ話にもならんじゃないか。どれ、この坊やをおろして、本式に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
死体、橇を駆る※ いよいよ本篇から、
魔境記も大ものばかりになってくる。まず、その手初めが“Ser-mik-suah”....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
いた。この間に日影の移る一寸一寸、一分一分、一厘一厘が、政元に取っては皆好ましい
魔境の現前であったろう歟、業通自在の世界であったろうか、それは傍からは解らぬが、....
「連環記」より 著者:幸田露伴
如く慈悲の念のみの亢張するのが必ずしも可なるのでは無く、場合によっては是の如きは
魔境に墜ちたものとして弾呵してある経文もあるが、保胤のは慈念や悲念が亢ぶって、そ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
一 加賀の国|黒壁は、金沢市の郊外一|里程の処にあり、
魔境を以て国中に鳴る。蓋し野田山の奥、深林幽暗の地たるに因れり。 ここに摩利支....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
人外
魔境 地軸二万哩 小栗虫太郎
魔境からの使者 ――折竹氏、中央亜細亜へゆ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
旅館に一泊していたのである。この裏町の旅館街は檀先生もさすがに足跡いまだ到らざる
魔境で、巷談師の怖れを知らぬ脚力には茫然たる御様子であった。 ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ふみ、あるいは酷寒水銀をくさらす極氷の高原をゆくうちに、知らず知らず踏破した秘境
魔境のかずかず。その、わが折竹の大奇談の秘庫へ、いよいよこれから分け入ってゆくこ....
「霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
着する子供を「人」たらしむべき教育は実に難中の難である、ああ、かくして虚栄は人を
魔境にさそい堕落の暗礁に誘うローレライである。 人生は混沌。肉の執着といい生命....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
うるい》が棲《す》んでいる世界がある。その秘密を求めて、英国の科学者たちが、敢然
魔境に踏み入って行く。この「探検記」こそは、カインの末裔の土地で、連夜の吹雪にと....
「簪を挿した蛇」より 著者:中谷宇吉郎
うな伝説が残っていた。この小高い山は、その当時の子供たちの間には、全く人跡未踏の
魔境であった。山は二段になっていて、頂上に本統の城の趾《あと》があるという話であ....