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魔所
「魔所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魔所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
をくぐって行こうとするのを翁はまた引き止めた。 「これ、悪いことは言わぬ。昔から
魔所のように恐れられているところへ、夜ふけに押して行こうとは余りに大胆じゃ。やめ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い、まったく何かの怪異に相違ないということになった。前にもいう通り、元来が一種の
魔所のように恐れられている場所だけに、それが容易に諸人にも信じられて、近所の湯屋....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
※《ききょ》たる氷稜あり雪崩あり、さらに、風速七十メートルを越える大烈風の荒れる
魔所。私たちは、やがて※牛《ヤク》をかり地獄の一本道をゆかねばならぬ。
ところ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
に。|Esteros de Patino―すなわち「パチニョの荒湿地」といわれる
魔所。 まもなく、その入口をいっぱいに塞いでしまいそうな、大男が悠然と現われた....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、一方|覆被さった雑木林で、妙に真昼間も薄暗い、可厭な処じゃないか。」 「名代な
魔所でござります。」 「何か知らんが。」 と両手で頤を扱くと、げっそり瘠せたよ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
白領コンゴの境、……イツーリの類人猿棲息地帯から北東へ百キロ、『|悪魔の尿溜』の
魔所へは三十マイル程度でしょう」 |悪魔の尿溜――それを聴くと同時に、一座はし....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
よ、とそれ、生捉って来てな、ここへ打上げたその獅子頭だ。以来、奇異|妖変さながら
魔所のように沙汰する天守、まさかとは思うたが、目のあたり不思議を見るわ。――心し....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
いながら、 山くれ野くれ行ったれば………… 一 三浦の大崩壊を、
魔所だと云う。 葉山一帯の海岸を屏風で劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
子折竹の姿は、まだ彼も言わず、作者も秘、秘である。ではこの、大地軸孔とはいかなる
魔所であろうか。 北にパミール高原、西南にはヒンズークシ、南東にはカラコルム。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いつも明うござりますほど、石滝は陰気じゃで、そのせいでもござりましょうか、評判の
魔所で、お前様、ついしか入ったものの無事に帰りました例はござりませぬよ。」 「そ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
治して上げて下さい。) と言う。 若い人は、 (おなつかしい方だけに、こんな
魔所には留められません、身体の斑が消えないでは。) と、しっかり袂に縋って泣き....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
く成るんだぞ。へへ、鯉でさえ、鮒でさえ、大きく成ると藻に搦まれて、往生するという
魔所だ。おぬし一人で渡るのなら、何も這んな悪戯はせんのだが、若い男と連れなのが癪....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
を素人づくりに……おっと。」 と両袖を突張って肩でおどけた。これが、さかり場の
魔所のような、廂合から暗夜が覗いて、植込の影のさす姿見の前なんですが。 「芸妓に....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、一目見るや倒に墜落するのが約束らしい。 きれいな、敷松葉は、その塚の、五寸の
魔所、七寸の鬼の領とも憚からるる。 また、あまた天狗が棲むと伝える処であった。....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
も拘らず、ここは殆ど通路の無いほどに岩石|嶮しく峭り立っているのと、昔から此辺は
魔所と唱えられているのとで、猟夫も樵夫も滅多に通わなかった。苔蒸す窟は無論天然の....