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「魔除け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

魔除けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
く》視《み》るとやはり蛇の画だ。日本でも吾輩幼時、出雲の竜蛇、その他蛇の画符を悪魔除けとして、門戸に貼《は》ったのが多かった。リーランドいう、妖巫や邪視する人が....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ギリシア人は醜女怪の首を甲冑の前立てとし、楯や胸当てに附け、また門壁の飾りとし、魔除けとしゴルゴネイオン(ゴルゴン頭)と称えた。惟うにバシリスク自影に殺さるる話....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「よろしい」 絵師は、さっさと紙を展《の》べて、縦横に筆を走らせ、見るまに悪魔除けの鍾馗様を作り上げてしまうと、おかみさんは喜んでそれを受取り、いくらかの鳥....
妖怪記」より 著者:田中貢太郎
いた。 お作の家にはどうしても魔物がついている。お作は翌日親類の老人に話して、魔除けの祈祷でもしてもらうように頼みたいと思って、その夜はおっちりともせずに夜を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
広いような気になってしまった。京都へ行ったら、ぜひひとつ、訪ねてみることだねえ、魔除けになるかも知れない。 魔除けといえば、お前さん、いつのまにか、あのいやが....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
ていながら、信心堅固で、怯気ともしないで、一件を小脇に抱える。 この腰の物は、魔除けに、と云う細君の心添で。細君は、白骨も戻すと極り、夜が明けると、ぱっと朝露....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
。ひすいやダイヤもすっからかん。今はめている指輪、これは十銭で夜店で買ったのよ。魔除けの指輪、もう三十年になるわ」 「おばさまはお偉いわ、どん底でも案外平気でい....
蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
頭の禿げた蛸入道だ。 ――大いなる蛸の如きもの、陸上にも水中にもあり。 蛸の魔除けには、煙草に限る。キャバレー・ルビーで貰った一本の葉巻を、チョッキのポケッ....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
てくれ貯金までさせて下されてる由、千謝万謝にたえないとの礼言だった。それと共に、魔除けになるとかいう奇怪な木彫の面を送ってきた。正枝は狐につまゝれたような気持だ....
南島譚」より 著者:中島敦
オ本島各地の信仰に就いても、一通り知っているものの様に思われた。其の日私は彼に悪魔除けのメレックと称する髯面《ひげづら》男の像を作って来るようにいいつけた。二三....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
だしている地が他にもあるのか私は知らない。京都では軒並みにチマキを門にぶらさげて魔除けにしているが、蘇民将来の護符はあんまり見かけない。 宇治山田郊外には蘇民....
魔都」より 著者:久生十蘭
それを取上げると、帯のお太鼓の中へ落し込んで、 「お護符《まもり》にしとくわ、悪魔除けの」 そこへ、酒月が花を連れて入って来る。罪人でも引っ立てるようにして来....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
くらまの山のうず 桜…… ふと、前刻の花道を思い出して、どこで覚えたか、魔除けの呪のように、わざと素よみの口の裡で、一歩、二歩、擬宝珠へ寄った処は、あい....
遠野物語」より 著者:柳田国男
りてこれを撃つに、手応えはあれども鹿少しも動かず。この時もいたく胸騒ぎして、平生魔除けとして危急の時のために用意したる黄金の丸を取り出し、これに蓬を巻きつけて打....
幼年時代」より 著者:室生犀星
していた。父のからだは白絹の布で覆われていた。その上に立派な一と腰がどっしりと悪魔除けにのせられてあった。父は老衰で二、三日の臥床で眠るように逝った。 お葬式....